2016年09月26日-09月30日
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銀河系の全貌、最新の研究で見直しへ

2016年09月30日

 中国科学院紫金山天文台の科学者を主要メンバーとするチームは研究を通じて、銀河系の主要構造には滑らかで規則的な渦状腕があり、さらにそこから突き出ている「分岐」や「橋」があることを発見した。この最新の研究成果は米国東部時間28日午後2時に、世界トップの科学誌であるサイエンス誌の「Science Advance」に掲載され、その「ハイライト」として取り上げられた。人民日報が伝えた。
 多くの科学誌によると、銀河系は1000億個の恒星と無数の物質によって出来ている渦状天体であり、中心の部分と2本もしくは4本の渦状腕によってできている。渦状腕は渦状天体の特殊な構造で、光を放つ環状の帯は絡み合いながら、中心の奥深くから天体の縁まで達する。渦状腕の見所は、大質量恒星形成区だ。私たちのいる太陽系は、多くの若い恒星によって構成される物質団の最も内側にある。この恒星物質団はオリオン座に近いことから、「オリオン腕」と呼ばれる。銀河系にいる私たちは、その全貌を一望することは難しい。しかし銀河系の渦状腕の大質量恒星形成区の距離を正確に測量すれば、まるで釘を打ちこんだような具合になり、この釘を集めることで、銀河系の渦状腕の形状を描き出すことができる。
 同チームの主要メンバー、中国科学院紫金山天文台の徐■研究員(■は火に華)は「銀河系の構造は、実際には複雑だ。チームは銀河系の「オリオン腕」の突起を発見した。これは橋のように腕から「いて・りゅうこつ腕」にむかって伸びている。長さは約1万2000光年で、現在発見されている銀河系の突起のうち最も長い」と説明した。
 徐氏は「これは銀河系がこれまで想像されていたように、大きな渦状腕による渦状天体ではなく、メインとなる腕に多層的構造を持つ渦状天体がある可能性がある。メインの腕という枝から、さらに枝分かれしているのだ。この研究に基づき、銀河系を描き直すことができる」と述べた。

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