2016年09月26日-09月30日
トップ  > 科学技術ニュース>  2016年09月26日-09月30日 >  重慶大学の准教授が発電できる布を発明

重慶大学の准教授が発電できる布を発明

2016年09月30日

 この特殊な服を着ると、周囲の日照と何気ない体の動きにより、時計や携帯電話に絶えず充電できる。かつてはSF映画の中での出来事にすぎなかったことが、ついに現実できるようになった。発明者の一人、重慶大学の范興准教授は28日、記者にこの特殊な織物の秘密を明かしてくれた。中国新聞網が伝えた。
 范准教授によると、この織物は低コストで軽量なポリエステルを使用。繊維表面に金属と半導体をコーティングし、エネルギーを収集・保存する。それからこの繊維とウールを混ぜ、織り機で厚さ0.32ミリの織物にする。
 范准教授によると、繊維摩擦ナノ発電機の原理は摩擦により電力を生む。ある材料は別の材料と摩擦する際に、帯電する。2種の材料を接触させると電子を伝えるが、これを分けると電子を受け取る材料が負の電荷になる。この2つの材料を1つの回路によって連結させれば、微弱の電流が生まれ電荷が釣り合う。これを何度も繰り返すことで、交流電流により発電できる。
 范准教授のチームは研究により、人体の運動方向に繊維摩擦ナノ発電機を並べることで、多くの電力が得られることを発見した。あるいは日照の強弱に応じて異なるモードに切り替え、出力を調整することで、異なる使用環境に適応することができる。
 范准教授は「ウェアラブルデバイスの他に、この材料は将来的により大型の自動給電可能な日用品に用いられる。あるいはその他の機能を付与された繊維と組み合わせて使うことで、より大きな力を発揮できる」と話した。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます