2016年11月28日-11月30日
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一家族分の野菜を自宅で栽培、大学生が自動野菜栽培装置を発明

2016年11月28日

 大都市で暮らし野菜の栽培が好きだが、家の中に余分なスペースがない場合は、どうすればいいだろうか?広東省機電職業技術学院の学生が、自動野菜栽培装置を開発し、家庭内で野菜を栽培する夢を叶えた。羊城晚報が伝えた
◆装置が水中培養
 同校情報学院の革新創業実践センターで、聶煥輝さんと彼が開発した野菜栽培装置を取材した。同装置はガラス製ケースとなっており、その内部も見た感じ非常にシンプルだ。白いトレーの上に、1元硬貨よりやや大きな穴が並び、異なる時期に植えられた野菜が植わっている。植えてから最も短いもので10日、最も長いもので40日以上経っているといい、10日ほどの野菜は約3センチで、40日以上の野菜はもう収穫が可能だ。
 聶さんは「これらの野菜はすべて水中培養される。ケース内には自動装置が取り付けられており、携帯電話かパソコンのソフトで制御できる。栽培中の野菜の水やり、日照の調整、施肥、温度調節など、出張で家を留守にしても安心だ」と話した。
 聶さんは「このケースにおける野菜栽培は家庭内の衛生環境に悪影響を及ぼすことはない。栽培の全過程で、その他の汚染が生じることはない。24時間の照明により、装置が栽培する野菜の方が成長が早い。野菜の味は試してみたが、甘みがあり、市場で流通している有機野菜と比べても劣らないほどだ」と説明した。
◆一家族で食べるに十分な量
 野菜栽培装置は、いったいどれほどすごいのだろうか?指導教員の李志斌氏が比較対照した試験結果を見せてくれた。室内には装置が世話をしない、同じ日に植えられ同じ肥料を与えられている野菜がある。40日以上栽培された野菜は10センチほどまでしか成長しておらず、その茎は爪楊枝よりも細い。屋上にも同じ時期に植えられ、同じ肥料を与えられている野菜がある。自然の日照を浴びるほか、太陽光パネルを設置。曇りの日や夜でも野菜にエネルギーを補給できる。上にはさらに雨水を避ける防護カバーが取り付けられている。野菜は順調に育っているが、装置が栽培する野菜と比べるとその丈は低く、見た目も悪い。
 李氏は「野菜栽培装置を都市部の家庭で使用可能にするため、第2世代の製品を積極的に開発中だ。第1世代はコンパクトなため、一家族の毎日の需要を満たすことができない。そのためメイン・サブの装置を組み合わせることで、栽培面積を拡大することを検討中だ。第2世代の製品は一家族の野菜の供給を賄うほか、使用するスペースをさらに縮小させることで、ベランダ、リビング、キッチンのすべてのスペースに置けるようにする。家庭内の家具のように、高く積み重ねることもできるようにする。さらに第2世代は栽培可能な野菜の種類を増やすだけでなく、草花や果物なども栽培できるようにする。野菜栽培装置が、家庭内の緑化を担うようになるだろう」と説明した。

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