2016年12月12日-12月16日
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中国製の熱核融合炉燃料棒、国際的な認証を獲得

2016年12月12日

 核融合は人類のエネルギー問題を解決する重要な科学研究分野だ。そのため中国を含む7つの国と地域の科学者たちが、世界最大の科学研究共同プロジェクトの一つである、国際熱核融合実験炉(ITER)というプロジェクトを始動させた。中国中央テレビのニュース番組「新聞聯播」によると、中国が開発した熱核融合炉の燃料棒が、世界に先駆け認証を獲得した。これは中国の同プロジェクトへの重大な貢献といえるだろう。
 同プロジェクトは制御可能な核融合反応の実現、核融合エネルギーの利用方法の模索を目的としており、ITERがエネルギーを生む原理は、太陽の発光・放熱のメカニズムと似ていることから、「人工太陽」とも呼ばれている。「人工太陽」の中心部の温度は1億度を超える核融合燃料で、中国が開発したこの材料はこの超高温環境にさらされる。
 ITERの設計案によると、この材料は1平方メートル当たり4.7MWのエネルギーに耐えなければならない。これは瞬時にして1キロの鉄を溶かせるエネルギーだ。中国の研究者は3種の材料によりサンドイッチ構造を形成し、各国との競争の中で3種の材料を緊密に結びつける革新的な技術を模索した。権威ある機構の試験において、この材料は設計基準を20%上回る極端な高温環境の試練に耐えられることが証明された。
 一般的なエネルギーと比べ、核融合はクリーンで安全で巨大なエネルギーを生む。核融合に用いられる材料の重水素は海水中に存在し、海水1リットル当たりの重水素で作れるエネルギーはガソリン300リットル分に相当する。中国を含む7つの国と地域が2006年に合意し、ITERを正式に発足させた。中国はプロジェクトの10%の作業量を担当。専門家は「プロジェクトの推進に伴い、人類は50年以内にこのエネルギーを一般家庭に普及させることができるだろう」と述べた。

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