2016年12月26日-12月30日
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ベイマックスのような軟体ロボット、中国が試作機を完成

2016年12月27日

 中国科学技術大学が発表した情報によると、同校の研究者は軟体ロボットの研究分野で、重要な進展を実現した。同校が開発したロボットはディズニーアニメキャラの「ベイマックス」のような柔軟性を持ち、その試作機もすでに製造されている。中国新聞網が伝えた。
 現在のロボットは、ぎこちない動きをする人型ロボットや、生産ラインで腕を振るうロボットアームが中心となっている。このようなロボットと比べ、軟体ロボットの気動セルラー構造は、剛と柔を兼ね備える「天然構造」だ。形を大きく変化でき、高い柔軟性と耐荷重性を持ち、低コストであるといった特長があり、伝統的な固い構造にはない応用の潜在力を持つ。
 中国科学技術大学コンピュータ学院の陳小平氏が率いるチームは2013年に、中国で率先して気動セルラー構造に関する論文を発表し、直ちに国内外の同業者から注目を集めた。同チームはこのほど、同分野で再び大きな進展を手にした。関連成果は米国電気電子技術者学会の、ロボット・生体工学2016年国際会議で報告され、同会議で唯一の最優秀論文賞を受賞した。
 同チームは気動セルラー構造軟体アクチュエータ性能の、柔軟性と耐荷重性という2つの中心指標をめぐり、非線形有限要素法を用い、軟体アクチュエータの設計データのアクチュエータ性能への影響を系統的に模索した。さらに模擬分析結果を軟体アクチュエータの設計に用い、実際の応用シーンと結びつけ、軟体アクチュエータの試作機を製造した。実験によると、同軟体アクチュエータは高い可変性、柔軟性、耐荷重性を持ち、3次元空間内の不定形物体の操作を実現できる。

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