2017年02月01日-02月03日
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山東省で「魔法の紙」開発、何度も書き消し可能

2017年02月09日

 見た目も手触りもまるで普通の紙と変わったところはないものの、表面に透かし彫りのある板を敷き、紫外線を照射すると、数秒後には図案が紙に「印刷」される。さらにこれをオゾンもしくは高温にさらすと、30分もたたないうちに図案がなくなり、再利用できるようになる。この「魔法の紙」は字を何度も消すことができ、40回以上繰り返し使用できる。山東大学化学・化工学院の陳代栄誉教授のチームが発明したこの革新的な成果は、国際的な科学雑誌「ACS Applied Materials & Interfaces」の最新号に掲載されたあと、世界主流の科学メディア「ネイチャー」(電子版)と米国化学会のニュースに引用された。科技日報が伝えた。
 チームは紙の生産による森林伐採問題を解消するため、シンプルな紡績技術によりこの三酸化タングステンで作る「複写可能繊維膜」を開発した。
 チームの王挺副研究員によると、この膜は紙に近い白色で、普通の紙に膜をコーティングするだけで使用できる。使用後、紫外線光を1−2分照射すると青みがかった紫色になり、その後数日で自然に色あせる。高温環境もしくはオゾン発生装置内に置けば、十数分で色あせ、引き続き紫外光を照射すれば再び青みがかった紫色に戻る。この方法で「魔法の紙」に情報を何度も書き込み、消すことができる。

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