2017年03月06日-03月10日
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世界の科学者の目に映る中国の科学技術

2017年03月09日

 有人宇宙船「神舟11号」で宇宙飛行士が33日間宇宙空間に滞在し、量子衛星「墨子号」が打ち上げられ、「中国天眼」という名の口径500メートル球面電波望遠鏡(FAST)が稼働開始し、暗黒物質探査衛星「悟空」が運行1周年を迎えた。昨年の一連の科学成果は中国人に誇りを抱かせ、さらには米国、豪州、カナダ、日本、フランスなどの科学研究者から評価された。新華社が伝えた。
 豪ニューサウスウェールズ大学宇宙工学研究センター長は「中国の宇宙飛行士が宇宙空間で1ヶ月滞在し実験を行ったことは印象深い。これは中国の宇宙計画が、非常に順調に進んでいることを証明している」と述べた。
 科学研究の重器に対する中国の取り組みは、海外の同業者を羨ましがらせている。彼らにとって中国の成果は非常に「クール」であり、人類の科学技術の進歩を促すことは間違いない。
 同氏は「数十年前であれば、中国の大学が世界的な研究に大きな影響を及ぼすとは、誰にも想像できなかった。しかし我々は最近、中国の多大な貢献を目にしている」と話した。
 海外の科学研究者に評価されているのは、中国の科学研究の驚異的なペースだ。フランスの大学教授であるダニエル氏は、この成長ペースをまるで宇宙ロケットのようだと評価した。
 伊ペルージャ大学の博士は、中国の科学研究の決定力と実行力に深い印象を抱いている。「『中国天眼』にせよ『悟空』にせよ、わずか5−6年でアイデアをプロジェクトとして立案し、実行できる国は他にない。ところが中国は事実によってこのようなスピーディさを証明している」とした。
 幹細胞研究の専門家であるダニエル氏は、ノーベル生理学・医学賞受賞者の屠■■氏(トゥ・ヨウヨウ、■は口へんに幼)に敬意を表し「彼女のことを知っているのは、ノーベル賞受賞者だからではない。彼女が中国の伝統医学の真髄を汲み取り、マラリアという世界的な疾患の治療で重大な進展を実現したからだ。私は彼女を尊敬している。彼女があのような時代に、この薬品を使いマラリア治療を研究したことは、非常に勇気がある行為だ」とした。
 京都大学iPS細胞研究所の生物学者であるウォルツェン・クヌート氏は、「私が出会った中国人研究員はみな非常な努力家で、目標を掲げ仕事に専念でき、尊敬に値する」と中国の科学研究者の勤務態度を評価した。
そんな彼らは中国の科学技術の未来を、どのように見ているのだろうか。
 ダニエル氏は「世界の科学技術発展において、中国の台頭は世界の科学技術分野の競争を刺激する。英米は科学技術面で長期的にリードしたことで、前進の意欲を失った。中国はその力強い科学者チーム、優秀な教育体制、科学技術で強国を追い越そうという決意や歴史への尊重により、その他世界の強国の科学研究発展の闘志に火をつけることができる」と指摘した。
 2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授は「今のまま取り組みを続ければ、中国がさらに多くのノーベル賞を手にするのも時間の問題に過ぎない。中国人と中国出身の研究者が、多くの非常に優秀な研究成果を手にしている」と話した。

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