2017年03月13日-03月17日
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時代に取り残されつつあるスマートウォッチ、巻き返しなるか

2017年03月14日

 2015年の急躍進を最後に、スマートウォッチ市場全体が急激に疲弊している。誕生からわずか5年足らずで、スマートウォッチの輝かしい日々はもはや終わりを迎えたように見える。文匯報が伝えた。
 アップルウォッチがその市場シェアの半分を占めているが、IT専門調査会社のIDCが発表したデータによると、アップルウォッチの2016年第3四半期の販売台数は、前年同月の390万本から71%減の110万本と激減した。かつて5000元(1元は約16.63円)の値がついたアップルでさえ惨憺たる状況である以上、その他のメーカーの苦境は想像に難くない。事実を目の当たりにした多くのメーカーがスマートウォッチ事業を中断している。厳冬を迎えたスマートウォッチ業界は、復活のチャンスを手にできるだろうか。
 スマートウォッチ業界全体が下り坂に入っているが、その原因として下記の数点が挙げられる。
 まずアップルがスマートウォッチ市場に進出した当時、業界全体に促進力を生み、その他のメーカーがチャンスをつかもうと相次いで参入した。これらの企業は、アップルは成熟した市場にしか参入しないと判断した。その他のメーカーとプラットフォームは、ウェアラブルデバイスの春がやってくると考えた。しかしどれほど実力のあるアップルでも、判断を誤ることがあろうとは、誰にも予想できないことだった。携帯電話の機能が強化され、スマートウォッチの実質的な需要が失われた。アップルウォッチの発売によりスマートウォッチがもてはやされたが、これはある種のバブルにすぎなかった。
 次に、スマートウォッチは多くのユーザーから敬遠されている。これはなぜだろうか。スマホの普及により、多くのユーザーはスマートウォッチによる機能の補完を必要としなくなった。今やスマホの機能はなんでも揃っている。心拍数のチェックなどフィットネスもしくは健康管理の機能を備えた、割安のブレスレット型デバイスでも完全にスマートウォッチの代わりになり、装着もしやすい。補助的ツールであるスマートウォッチは、実際にはユーザーをそれほど補助できない。これは典型的な「お荷物」だ。
 さらに、革新の不足がある。アップルもグーグルも現在、スマートウォッチの真の潜在力を引き出していない。ソフトにもハードにも、実質的な革新がない。近年の科学技術の革新及び研究開発の不足も、スマートウォッチのデザインや機能の画期的な進展を妨げている。例えば折りたたみ機能はスマートウォッチに活用でき、ディスプレイ面で少なくとも現在の商品よりは有利となるにも関わらず、そうした商品は遅々として市場に現れてこない。
 スマートウォッチは「お荷物」になったが、ウェアラブルデバイスには高い将来性がある。IDCが発表した2016−2020年のウェアラブルデバイス市場を予想した報告書によると、世界のウェアラブルデバイス市場にはまだ大きな需要が残されており、市場規模は2020年に200億ドル以上に達する見通しだ。未来の発展は、多様化を呈する。うちフィットネス用などのハード製品のスマート化は、シンプルで使いやすい方向に発展しようとしている。将来的には、ウェアラブルデバイスの主流になるだろう。ウェアラブルデバイス市場の高付加価値商品であるスマートウォッチは現在、まだ普及には程遠い。低価格・多機能のスマートウォッチが、今後も市場の主流になるとみられている。

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