2017年03月27日-03月31日
トップ  > 科学技術ニュース>  2017年03月27日-03月31日 >  中国の二次元コードの安全リスクを如何に解決するか?

中国の二次元コードの安全リスクを如何に解決するか?

2017年03月29日

 私たちは日常生活の中で、ほぼ毎日、二次元コードをスキャンをしている。モバイルインターネットの高度発展により、一般人の生活で二次元コードの普及が進んでいる。統計によると、世界の二次元コード利用者の9割が中国人で、中国はまさに名実ともに「二次元コード大国」になった。しかしモバイルインターネットと二次元コードの急速な発展により、二次元コード業界の統一基準・規範の欠如、安全リスクといった問題が生じている。中国科学報が伝えた。 
 海外における二次元コード研究は、1980年代後半に始まっている。世界の既存の一次元コードと二次元コードは、250種類以上ある。なかでも日本で開発されたQRコードは、最もよく知られている二次元コードだ。微信(WeChat)、第三者決済サービスの支付宝(アリペイ)など、私たちが目にする二次元コードのほとんどがこのQRコードだ。
 中国インターネット情報センターが今年発表した、第39回「中国インターネット発展状況統計報告書」によると、中国のモバイルインターネットユーザー数は、昨年12月時点で6億9500万人に達した。また、モバイルインターネット利用者のほとんどが、二次元コードの個人利用者でもあるため、中国の二次元コード利用者は7億人弱いることになり、欧州の総人口に相当する規模だ。
 最近、一部都市の住宅地では水道代・電気料金の支払いを請求する偽物の二次元コードを貼るという犯罪が生じている。また都市部でも違法駐車の罰金と称する二次元コードが貼られたり、シェア自転車の二次元コードを偽造するといった犯罪が目につくようになり、これをスキャンした場合、詐欺被害に遭ってしまう。
 中国二次元コード登録認証センターの張超執行主任は「中国は二次元コード応用大国になったが、まだ二次元コード産業強国ではない。20年以上の発展を経て、欧米と日本は二次元コード産業の構造、技術の研究開発、読み取りデバイスなどの産業チェーンの重要分野で他国に先駆けている。中国独自の二次元コードは、産業の普及において遅れを取っている」と話す。統計データによると、中国で使用されている二次元コードのうち、日本のQRコードが65%、米国のPDF417とDMがそれぞれ15%となっている。主な国産コードである製漢信コード、竜貝コード、GMコード、CMコードなどは、全てを合わせてもそのシェアは5%未満だ。経済・情報安全の面から長期的に考えると、中国は独自の二次元コード基準の普及を促進し、中国の世界二次元コード分野における発言権を高める必要がある。
 専門家は、中国が情報化建設を力強く推進する背景があり、5GとIoTの発展により二次元コードがさらに普及し、応用もさらに多様化すると予想している。二次元コードのビッグデータは、重要な発展方向の一つになりそうだ。社会管理、医療救護、健康ビッグデータ、身分・物体情報認証などの面で活用される可能性があり、将来性が高い。張氏は「二次元コードの産業発展は大規模かつ系統的なプロジェクトであり、各方面の努力と協力により、業界の健全な発展を共に推進する必要がある」と指摘した。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます