チベット高原の凍土、土壌内の炭素含有量が増加

2017年 5月9日

 凍土の植物は二酸化炭素(CO2)を固定できるが、温暖化による凍土の溶解でCO2が放出される。では固定量と放出量のどちらの方が多いのだろうか。学術界では長年に渡り、凍土の土壌に含まれる有機炭素の量がどのように変化するかが把握されていなかった。中国科学院植物研究所の科学者が8日、オンライン科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」で発表した研究によると、気候変動によりチベット高原の凍土活動層の炭素量が大幅に増加しているという。この炭素蓄積は永久凍土の溶解による炭素の損失を相殺する可能性がある。科技日報が伝えた。
 凍土の土壌に含まれる炭素量は、世界の土壌全体の半分以上に達する。これは陸地生態システムにおける最大の炭素バンクであり、その小さな変化は大気中のCO2濃度に大きな影響を及ぼし、世界の炭素循環において重要な力を発揮する。
 同研究論文の責任著者、中国科学院植物研究所の楊元合研究員は取材に応じた際に、「我々はチベット高原の凍土を研究対象とし、2013−14年に渡り同地域で2001−04年に調査された135ヶ所のサンプルエリアで再びサンプリングを行い、103ヶ所の1000件以上の土壌サンプルを収集した。これを踏まえた上で層の容積重、有機炭素の含有量、土壌の有機炭素の密度などによる大まかなデータバンクを構築し、さらに混合モデルを用いて過去10年間の同地域の活動層の土壌炭素バンクの変化を評価した。研究によると、この10年間でチベット高原の凍土エリアの活動層の炭素バンクが大幅に拡大し、かつ土壌炭素の蓄積は土壌下層(10−30センチ)でしか生じなかった。さらなる分析によると、炭素バンクの拡大は気候変動による植物の成長力の強化によるものと見られる」と述べた。


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