2017年05月22日-05月26日
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4500メートル級有人潜水艇、プール試験を開始

2017年05月31日

 有人潜水艇と聞いて誰もがまず「蛟竜号」を思い浮かべることだろう。中国船舶重工集団公司第702研究所が30日に発表した情報によると、中国の2隻目となる有人潜水艇、4500メートル級有人潜水艇が28日より、同研究所の専用試験プールで全フロー試験を開始した。科技日報が伝えた。
 4500メートル級有人潜水艇チーフデザイナーの胡震氏は「海上試験のコストは非常に高い。プール試験は有人潜水艇が陸地から海洋に向かう第一歩目だ。同試験は水に「浸かる」だけだが、実際は「試験運転」の効果を発揮することができる。プール試験によりシステム全体の調整を終え、海上試験に向け全面的に技術の準備をすることができる。またこれは人員育成の重要な一歩であり、潜水艇整備士はこの過程において潜水艇との慣らし運転を進める必要がある」と説明した。

 蛟竜号は水深7000メートルの海底に潜ることができるが、なぜ4500メートル級有人潜水艇を開発するのだろうか。胡氏によると、中国の材料・製造業水準の向上に伴い、4500メートル級有人潜水艇に、国産化の大幅な向上という重要な変化が生じている。全体的な国産化率は90%を超え、重要部品が100%国産化されている。従来の銀亜鉛バッテリーの代わりにリチウム電池を用い、電池の使用回数が50回から500回に増加した。中国が独自に開発したチタン合金材料を使用し、潜水艇に5つの観察窓が取り付けられ、海底での視界がより良好になった。この潜水艇により、中国有人深海潜水の次世代を担う人材を育成する。

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