2017年07月03日-07月07日
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「中国の国際科学技術協力の現状」、世界で広がる協力の輪

2017年07月05日

 2006年から2015年にかけて、中国の科学研究協力センターとしてのランキングが世界第10位から7位に浮上した。中国の世界科学研究協力における規模はカナダに次ぐ世界第6位から、フランスを抜き世界第4位に上がった。科技日報が伝えた。
 国家科学技術評価センターとクラリベイト・アナリティクス(旧トムソン・ロイター IP&Science)が共同作成した「中国の国際科学技術協力の現状」報告書が3日、北京市で発表された。同報告書は中国の国際科学研究協力の論文データに基づき、計量文献学により科学研究・管理専門家の観点をまとめ、2006−15年の中国科学研究国際協力の現状とすう勢を深く分析・解読した。
 同報告書によると、材料学、工学、コンピュータ科学は、中国の国際科学研究協力において最も活況を呈している3学科だ。しかし国際協力が最も盛んな宇宙科学において、中国の参加は最も少なくなっている。
◆見直される中国式自主革新
 同センターの王瑞軍主任は記者に対して、「中国は2006年に、中国の特色ある自主革新の道を確固不動の姿勢で歩むと表明したが、そのことに対し、一部の国や団体は中国の国際科学技術協力に偏った見方をするようになった。彼らは中国の自主革新を閉鎖的な革新、開放と協力の拒否と誤解したためだ」と述べた。
 同報告書はこれについて、一つのデータを示した。中国と論文を共同発表した国は、この10年間で161ヶ国から188ヶ国に増え、中国国内で出資する協力プロジェクトの割合は35%から61%に上昇した。王主任は、「これは中国が扉を閉ざしていないばかりか、協力をより広く、深く広げていることを全面的に反映している」とした。
◆中国と科学研究協力する国が倍増
 同報告書によると、2006−15年までの世界国際科学研究協力ネットワークにおいて、米国は揺るぎない地位を占めて世界科学研究センターとしての座を守り続けている。英国、フランス、ドイツ、中国、カナダなどは、協力ネットワークの中での地位を高めた。中国は現在、米国との協力規模が最大の国になっている。
 中国と経済協力開発機構(OECD)加盟国の科学研究共同論文数は、2006−10年の10万編以上から2011−15年の23万編以上と約2.2倍増加した。同報告書によると、中国との共同論文発表数が最も多いのは米国で、規模が最大なのも米国となっている。2011−15年の発表数は12万2775編で、2006−10年より7万編以上増え、約3.6倍増加した。
 中国の「一帯一路」(the Belt and Road)の提案に伴い、中国と沿線諸国の協力の規模と範囲が拡大し、より緊密になった。サウジアラビアは2010−15年に、中国との共同論文発表数の増加率が最大の国になった。2010年の217編から2015年の3585編と激増し、約16.5倍増加した。中国との共同論文発表数上位10ヶ国を見ると、2015年の高被引用論文数は2010年の3−6倍に増加しており、高被引用論文の割合が大幅に上昇している。

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