2017年09月04日-08月31日
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可可西里が中国四大無人エリアで初のインターネット接続を実現

2017年08月31日

 青海省にある可可西里(フフシル)自然保護区内の索南達傑保護ステーションに8月29日午後、衛星通信固定ステーションが正式にオープンした。これをうけて、可可西里は中国における四大無人エリアのなかで、最初にインターネットの接続を実現させたエリアとなった。
 可可西里はモンゴル語で「美しい少女」という意味で、青海省南西部の玉樹チベット族自治州内にあり、その面積は4.5万平方キロメートル、中国で現在最大規模を誇る無人エリアだ。エリア内には数多くの希少な野生の動植物が集まっており、絶滅危惧種のチルーを保護することを目的に初めて中国に設けられた国家級自然保護区であり、中国の生物多様性を保護するために設けられた11ヶ所の核心エリアの一つでもある。
 長年にわたり、従来の通信ネットワークの敷設は可可西里での実現が難しく、野生動植物の保護作業を展開する上でも通信面での制約があった。
 しかし、衛星通信固定ステーションオープン後は、索南達傑保護ステーションの周囲500メートルから1キロメートルの範囲でインターネットへの接続が可能となり、衛星テレビや遠隔ビデオ通信なども利用可能となる。
 可可西里国家級自然保護区管理局森林公安局副局長の羅延海氏は、「衛星通信技術に基づくインターネット伝送、測位システムも可可西里エリア内の不凍泉、卓乃湖、五道梁、沱沱河といった4ヵ所の保護ステーション、及び保護区の各出入り口と重要観測スポットに次々投入される予定だ。この先数年間で、可可西里の各保護ステーションで全面的なコネクティビティを実現させ、密猟防止や救援などの日常業務により多くのサポートや技術面でのサポートを期待できる」とした。
 今年7月7日にはポーランドクラクフで開催された第41回世界遺産委員会会議で、可可西里が世界自然遺産として登録され、青蔵高原には世界自然遺産ゼロの歴史に幕を閉じた。

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