ロボットの発展を客観的に考察 人間の職を奪い、倫理観の建て直しも?

2017年 9月1日

 2017世界ロボット大会の開催にともない、ロボットに関する話題が急に盛んになっている。

▽多分野で浸透し始めているロボットの応用
 ロボットはすでに見慣れない特別な分野の存在ではなく、毎日家の中でさえ清掃ロボットや幼児教育ロボットに触れ合える身近な存在となっており、将来的にはその距離がさらに縮まるとみられている。このほど、中国電子学会が発表した「中国ロボット産業発展報告」によれば、人工知能の進展にともない、スマートサービス型のロボットの種類がさらに豊富になり、各分野に浸透し始めているとしている。
 同報告では、「真っ先に市場に進出した清掃ロボットやウェイターロボットから、エモーションロボットやパートナーロボット、教育ロボット、リハビリロボット、スーパーロボットまで、ロボットはそのサービス分野と対象を拡大しつつある」としている。
 ロボットのもう一つの重要な応用は、核ロボットのように人間の極限を超えたり、非常に危険な場所で作業を行える点だ。欧州のオックスフォード近くにある核融合炉ではすでにこうしたロボットの利用が始まっているという。
 ロボットが医療分野において重要な役割を果たしている点についてはすでに共通認識となっているが、英国工程技術学会の主席は、「ここ数年の間に英国では高齢者の世話をするコストがますます高くなっている。医療ロボットは洗浄といったサポート機能を搭載し、高齢者の24時間看護を行うことができるならば、高齢者の寿命がさらに延びるばかりでなく、高齢者が家で転倒して骨折するといったケースも避けることができる」との見方を示した。

▽ロボットが人間の仕事を奪うことに?
 ロボットは便利さをもたらすのと同時に、人々にいくつかの憂慮ももたらしている。まずは安全性の問題だ。現在のロボットはまだ100%安全であるとはいえない。
そしてロボットにまつわる話題として常に事欠かないのが、「ロボットが人間の仕事を奪う」、「ロボットが就職に影響する」といった説だ。専門家はロボットが就職に影響を及ばすのではなく、人間の就職の選択をさらに幅広くしてくれると考えている。なぜならロボットはより多くの新しい仕事のポストをもたらすことに繋がるからだ。現在人々を憂慮させている局面は、人材の構造にいくつかの問題があるからだとしている。

▽倫理観の建て直しが必要に?
 各分野で活躍するだけでなく、ロボットはさらに意識レベルでの変化ももたらしている。中国工業・情報化部の副部長は、「グローバルロボット産業の発展は依然として技術のボトルネックと倫理観に隠れたリスクという二重の挑戦に直面している。ロボットは法律法規と道徳倫理の建て直しを引き起こす可能性が大きい」と示した。
 現在、EUはロボットに関する法律の制定を検討しており、将来的に自主ロボットは電子人間の身分を得て、義務と権利を手にするようになるかもしれない。
 もう一つの懸念はロボットが自我を手にする可能性があるのかということだ。海外の報道によると、Facebookは二つの人工知能ロボットをすでにシャットダウンさせている。なぜなら彼らがロボット同士だけで理解できる不可解な言語でコミュニケーションをとり始めたからだ。

▽トレンド:特殊ロボットと協力ロボットの売れ行き好調に
 同報告によると、2012年から2017年まで、世界のロボット市場は平均17%近くの成長率を維持しており、2017年にはその市場規模が232億ドルに達する見込みだ。その内訳は工業ロボットが147億ドル、サービスロボットが29億ドル、特殊ロボットが56億ドルになるとみられている。
 工業ロボットは依然としてロボット産業の礎石だが、協力ロボットが将来のトレンドになるだろうと専門家はみている。工業ロボットは特に複雑でコストが高い上、あまりにも多くのエンジニアを必要とするからだ。
 その一方で、特殊ロボットにより興った新興市場も各国から高い注目を集めており、関連開発への投入を拡大し続けている。特殊ロボットの一種として、2017年世界ロボット博覧会では、バイオクラゲやバイオトンボといったようなバイオロボットが昨年より多く見られるようになった。しかも、バイオロボットが用いる技術は更に複雑で、各専門分野との繋がりもさらに緊密になるという。


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