2017年09月01日-09月01日
トップ  > 科学技術ニュース>  2017年09月01日-09月01日 >  中国初の民間用ドローンの試験飛行基地が上海に

中国初の民間用ドローンの試験飛行基地が上海に

2017年09月04日

 中国初の人民解放軍と民間航空主管部門の承認を獲得した民間用ドローン試験飛行基地が8月31日、正式に一般開放された。

▽200平方キロメートルの空域を開放
 基地運営側の担当者によると、基地が提供する飛行可能空域の広さは200平方キロメートルに達し、青西郊野公園や上海大観園、太陽島観光リゾート区、東方緑舟といった有名な観光スポットと観光エリアをカバーしている。またその飛行高度は150メートル以下に制限されている。
 民用航空華東地区管理局党委書記の姜春水氏は基地の除幕式で、「民間用ドローンの試験飛行に200平方キロメートルもの空域を提供するのは、一線都市ではめったにないことだ。現在、華東地区における実名登録されたドローンの数は4万台を超え、全国の三分の一を占めている。つまり、ドローンの急速な発展によって監督管理体制の改革が迫られていると言える。ドローン飛行は新しい分野で、国内外においても参考となる経験がないため、こうしたテストモデルを通じて、ゼネラル・アビエーションの改革を推進することが望まれている」とした。
 姜春水氏は、「上海地域のドローン産業のニーズが大いに高まりをみせていることから、基地テストモデルの建設最優先選択エリアとなり、テストモデル運用団体の選定、場所の選択、基地建設、ハンドブック作成、現場検証といった前期段階での作業を通じて、基地はテスト運用の基本条件をすでに整えたと評価された」とした。

▽飛行空域を出ると、システムが警報
 ドローンが注目を浴びるにつれて、ここ数年ますますその「無許可飛行」が増えてきている。同基地の登場はこうした現象を食い止める役割を果たすことができるかもしれない。試験飛行基地はすでに軍と民間航空主管部門の要求を満たす初歩レベルの管理運用システムを構築している。
 まず、実名登録、操縦士資格、第三者責任保険といったようなドローンの運用規則を定めている。
 次に、ドローン監督管理サービスシステムの構築が挙げられる。ドローン飛行予約サービスシステムや優雲システム監督制御プラットフォームによって、操縦士とドローン所有団体にとって便利な飛行予約を実現するほか、危険エリアに近づくと、システムが警報を発する。
 このほか、基地は軍・民間航空規制部門、地方公安局と情報通報メカニズムや事件処理メカニズムを構築し、情報のコネクティビティを実現している。
 優雲システムがドローンの一挙手一投足をすべて記録し、その飛行ルートを追跡できる。万が一、トラブルが生じた場合でも、実名登録されているため、管理部門が当事者を探し出し、相応の処罰を与えることも可能にしている。
 同基地は全国初のドローン試験飛行のテストモデルとして、運用と監督管理の経験を蓄積したのち、中国全土に展開されていく可能性が高いとみられている。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます