2017年09月11日-09月15日
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スマート車載ネットワーク、中国の特許保有件数は世界最多

2017年09月18日

 清華大学創意・革新・創業教育プラットフォーム「x-lab」などが主催する、「スマート・未来型自動車で新時代を迎える」をテーマとするフォーラムが16日、北京市で開かれた。同フォーラムで発表された「スマート車載ネットワーク技術世界特許観察」によると、中国は同分野の特許取得件数が世界最多の国になった。中国新聞網が伝えた。
 中国は最多の3万2000件で、世界全体の37%を占めている。日本は20%で2位、米国は16%で3位、ドイツは12%で4位、韓国は7%で5位。上位5ヶ国で90%以上を占めている。
 特許出願状況を見ると、日本は2011年までスマート車載ネットワーク技術の出願件数でその他の4ヶ国を上回っていた。後発者の中国は、2009年の251件から2014年の1623件に激増した。2015年にはさらに3166件に増加。
 特許出願先を国別で見ると、中国特許局が受理した取得件数が1万2106件と最多。米国は5253件で2位、日本は5124件で3位、ドイツは4017件で4位。
 スマート車載ネットワーク4大分野を見ると、中国での自動運転分野特許出願件数は8764件で、世界の61.8%を占める。これとは対照的に、補助運転や車載通信という伝統的な分野の特許出願件数は、平均水準を大きく下回っている。
 スマート車載ネットワーク特許出願は発明特許が中心的で、全体の約6割を占める。中国での特許出願技術の内訳を見ると、能動的な交通衝突回避、運転手早期警戒システムの出願件数が最多で、150件を超える。
 世界スマート車載ネットワークの研究分野は、感知(センサー、画像処理など)から、判断(運転補助、衝突回避など)や実行(動力や伝動など)の全過程を網羅している。
 清華大学世界産業4.5研究院の李東紅副院長は「注目されている技術、特に補助運転や車載通信を見ると、中国と先進国の間には大きな開きがある。スマート車載ネットワークは完成車・人工知能・インターネット・ビッグデータなどを集める、学際的な新興産業だ。中国企業は産業チェーン川上・川下の企業・研究機関・大学などとの協力を強化するべきだ。その一方で開放的な革新を積極的に推進し、世界のグローバル企業やスタートアップ企業と協力し、企業の競争力を高めるべきだ」と指摘した。

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