2017年09月11日-09月15日
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東アジアの砂塵、最大の発生源はゴビ砂漠

2017年09月21日

 蘭州大学大気科学学院の黄建平教授が率いるチームの最新の研究成果によると、タクラマカン砂漠が東アジアの砂塵の主な発生源とされてきたが、この認識には一定の誤解があるということだ。中国とモンゴルの間にあるゴビ砂漠こそが、東アジアの砂塵濃度の最も中心的な貢献者なのだという。新華社が伝えた。
 プロジェクト責任者、蘭州大学大気科学学院の陳思宇博士によると、科学者は近年、タクラマカン砂漠の砂塵について全面的かつ掘り下げた研究を行ってきたが、ゴビ砂漠の研究が依然として不足しており、その東アジアの砂塵濃度への貢献の重要性を過小評価している。そこで研究者は数値シミュレーションを行い、タクラマカン砂漠とゴビ砂漠の東アジアの砂塵濃度への貢献を定量分析した。
 研究によると、タクラマカン砂漠は盆地に位置し、三つの方向を山に囲まれており、砂漠上空の風が弱い。そのため砂塵の移動に適しておらず、多くの砂塵は浮き上がった後、再び地表に落ちている。さらにタクラマカン砂漠の砂塵は高度4キロまで上がらなければ、偏西風帯によって長距離移動しない。そのため東アジア全体の砂塵への貢献は少ないというのだ。ゴビ砂漠は中国とモンゴルの間に位置し、西はタクラマカン砂漠に接している。面積は13万平方キロメートル。タクラマカン砂漠よりもなだらかで、標高が高い。南北の気流がその上空で交わり、風が強い。深く厚みのある対流の混合により、高空の気流の動きが下に伝わり、ゴビ砂漠の低・中層の風が強くなる。これはゴビ砂漠の砂塵の垂直移動を促す。強い偏西風の影響を受け、ゴビ砂漠の砂塵が運ばれやすくなっている。
 陳氏は、「シミュレーションの結果によると、砂塵の移動量が毎年4500万トンのタクラマカン砂漠と比べ、ゴビ砂漠は毎年5300万トン以上となっており、東アジアで最も中心的な砂塵貢献エリアになっている」と話した。

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