2017年09月18日-09月22日
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中国研究大学が米国で初の開校 清華とマイクロソフトが連携

2017年09月29日

 中国の清華大学、米国のワシントン大学及び米マイクロソフトの協力のもとに設立されたGIX(グローバル・イノべーション・エクスチェンジ)が、先日シアトルで最初の教学研究ビルのオープニングセレモニーを行った。第六回中米人的・文化的交流におけるハイレベル協議の総合的な成果の一つとして、このプロジェクトの成功は中米間の学術や企業の独創的な連携によるものだ。

▽今後10年間、3000人以上の学生がGIXで学ぶ計画
 9月14日、シアトル・ベルビュー市で、マイクロソフトの元CEOスティーブ・バルマー氏の名が冠せられたこの教学研究ビルが正式にその使用を開始した。この教学研究ビルはGIXの主要建築物の一つにすきず、その他の施設は目下、建設中だ。使用開始後は、9月下旬から学生30人以上が入学し、一部はワシントン大学が開設した技術革新理学の修士課程で学び、残りの一部はダブル・ディグリー・プログラムに参加し、技術革新理学の修士課程のほかに、清華大学が開設したデータ科学・情報技術の修士課程を履修する。
 学生のうち、約半数が米国と中国の学生で占められており、それ以外ではカナダ、エストニア、フランス、インド、パキスタン、パラグアイ、ロシア、スイスなどの世界各地からここに集う。
 GIXはワシントン大学と清華大学の協力によって設立し、マイクロソフトから4000万ドル(約45兆円)の資金を提供された。現時点で既に世界各地の大学や企業がこのプログラムに参加している。今後10年間で3000人以上の学生がここで勉強する計画だ。

▽国際革新と産学連携の共同革新の最先端に
 GIXが設立されて以来、世界各地から数多くの大学が加盟し、学術連盟メンバーになっている。その中で、スイス連邦工科大学ローザンヌ校、香港科技大学、インド工科大学、韓国のKAIST、イスラエル工科大学などといった有名な学術機関のみならず、中国の大手検索エンジンの百度、英ARMなども業界連盟メンバーとして加盟している。
 学術連盟メンバーがGIXに自校の学生を推薦し、GIXの学生達は業界協力パートナーに関連するプログラムを提供していく。業界連盟のメンバーは教師や発明者と学生らを緊密に連携させ、カリキュラム発表段階で実践的なプログラムを学生に提供することで、技術面の交流や共同発明、協力革新を実現しようとしている。
 ワシントン州の州知事もこのプログラムに対して協力的な姿勢を示している。州知事は、「革新は偶然にできるものではない。堅持し続け、計画し、決定と実施、そしてさらに必要となるのがつながりを強化することで、人と人、異なる文化、様々な組織、それぞれの州や区といった間のつながりを強化しなければならない」との見方を示した。

▽「米中の協力が存在しない世界は想像できない」
 マイクロソフトのプレジデント兼最高法務責任者であるブラッド・スミス氏は、こうした協力が成功したことは、中国イノベーションの急激な成長と米中の協力によるところが大きいとしている。
 スミス氏は、「世界は今日まで発展してきて、米中両国の協力・提携が存在しない世界は想像できない。国と国の発展関係には、家族のトラブルのように、いくつかの問題が常に存在する。だが世界にとって、米中両国の密接な協力がやはり必要だ」と語った。
 また、「米国がこうした異業種間パートナーシップを推進させることが国益に結びつくのかどうかについて、疑問に思っている人たちがいる。だが、マイクロソフトから見て、技術にしても教育にしても、異業種間パートナーシップを欠かすことはできない」と指摘した。
 GIXの発足と運営は、米中両国の人的・文化的交流においての一つの典型的なケースにすぎない。初の中米社会と人的・文化的懇談会がまもなくワシントンで開かれる。ここ数年、中米間の人的・文化的ハイレベル協議メカニズムはゼロからスタートし、改善を続けており、すでに教育や科学技術、文化、体育、婦人、青年、衛生などの七大分野にまで広がっている。2016年までの協議の成果は400件以上となり、双方の共同学校運営プロジェクトと機関は399ヶ所に達した。クリーン・エネルギーや鉄道交通といった連合研究センターと越境イノベーション・起業協力プラットフォームの建設も順調に進んでいる。また、ますます多くの地方や企業、学校、メディア、社会組織がこれらに参加し、257組の省、州、都市が姉妹関係を結び、人的・文化的な交流活動に参加する両国国民は2700万人以上に上っている。現在の中米両国の人的・文化的交流は想像以上の盛況となり、人的・文化的交流の生命力を力強く証明したといえるだろう。

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