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海外でも話題の中国人大学生が開発した3Dプリンター

2017年10月11日

 SparkMaker(スパークメーカー)は、中国江西理工大学の機械自動化学部の卒業生である曾江月さんのチームが開発した低価格で操作方法も簡単な光造形(SLA)方式の3Dプリンター。先ごろ、米国のクラウドファンディングプラットフォームのKick Starterで50万ドルほどの資金調達に成功した。

▽大学時代に3D プリンター会社を興す
 曾江月さん(22)は昨年江西理工大学を卒業。彼曰く、大学時代に趣味が高じて3Dプリンター技術に携わり始め、夢中になったのだという。その後、在学中だった彼は共同創業メンバーとして、3D プリンターを専門的に研究開発する会社を立ち上げた。
 今年、曾さんのチームは詳細な市場調査を実施し、市販の3Dプリンターの大部分は操作方法が複雑で、ユーザー体験があまり良くない点に気づいた。そこで、「3Dプリンターを専門的な操作方法と高価格から脱却させて、人々の日常生活に浸透させる」ことを目指して、曾さんのチームは技術の角度からフィジビリティを検討し、利益モデルと販売ルートを確認してから、開発し始めた。
 曾さんの紹介によると、スパークメーカーは、市販のコンピューター接続が必要な他のSLA 3Dプリンターとは異なり、プリインストールされたデザインSDカードを挿入してプリントボタンを押すだけでプリントをスタートさせることができる。
 曾さんは「わずか99ドルのスパークメーカーは世界初の200ドル以下の高品質で操作方法が簡単なSLA3Dプリンターだ」と話す。

▽海外のクラウドファンディングプラットフォームで約50万ドルの資金調達実現
 起業の初期は決して順調とはいえなかった。資金不足に加えて、技術面の指導もなかったからだ。曾さんは起業のプロセスは厳しいものだとしても、起業者は誰でも数多くの困難を乗り越えなければならず、最後まで努力し続ければ、成功の望みを得ることができると語る。
 先ごろ、スパークメーカーは有名なクラウドファンディングプラットフォームのKick Starterで一ヶ月半で、約50万ドルの資金調達を実現した。
 資金調達開始以来、海外の多くの教育機関がスパークメーカーを教育関連に導入したいとの意向を示しているという。また、一部の企業はビジネスなどの分野でスパークメーカーを活用したいとの意向を明らかにしている。
 曾さんはクラウドファンディングで調達した資金をすべて製品の開発に投入するとしている。3Dプリンターを生涯の仕事としてやり続け、顧客に満足させる製品を開発したいと話した。

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