2017年10月16日-10月20日
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中国の火星探査、2030年にサンプル回収を実現か

2017年10月23日

 中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)代表、中国航天科技集団公司第八研究院長の代守侖氏は20日、「中国は2030年頃に火星サンプル回収・帰還、小惑星探査、木星系などの探査の実施を検討中だ」と明かした。科技日報が伝えた。
 中国初の火星探査任務は2016年1月に批准された。2020年頃に長征5号ロケットを利用し火星探査機を打ち上げ、地球・火星遷移軌道に直接送り届ける予定。一度にして「周回、着陸、巡回」という3つの目標と、宇宙環境、地形的特徴、表層構造の調査など5大科学目標を達成する。
 代氏は、「目標を達成するため、当社が開発する火星探査機は周回モジュールと着陸モジュールに分かれ、13種のペイロードを搭載する」と述べた。
 初の火星探査でこれほど多くの任務を実施する例は世界になく、大きな課題に直面している。代氏は、「まず深宇宙及び超長距離の制御・通信、火星制動・捕捉、軌道上の長期自主管理、希薄大気環境下での減速、安全着陸などの重要技術をクリアしなければならない」と話した。
 代氏によると、火星探査機と地上の通信距離は最も遠い場合約4億キロに達し、地球と月の距離の900倍以上になる。「対話」の遅延は40数分に達し、「声」も非常に小さい。信号の減弱、伝送の遅延、外界からの影響といった問題を克服しなければならない。距離が離れすぎているので、探査機は多くの場合自主制御により、パネルを開き太陽の方向に姿勢を調整し、制動・捕捉を行い、両モジュールを切り離し、故障を診断しなければならない。また火星の大気の密度は地球の100分の1のみで、探査機の減速方法に大きな差がある。着陸機は毎時間2万キロのペースで火星に「突進」する。空気抵抗、落下傘、逆推力エンジンなどの各種措置により段階的に減速することで、安全に火星の表面に着地できる。

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