2017年10月16日-10月20日
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中国の新型科学観測船の性能が世界先頭集団に

2017年10月24日

 中国科学院院士で中国海洋大学副校長の呉立新氏は米国の科学観測船における作業を何度も体験したことがあるが、印象に残っているシーンがある。それは科学者らは制御室でコーヒーを飲みながら、自動的にブイが投入されていたことだ。この光景は近い将来、中山大学の新型科学観測船と「雪竜2号」などで実現されることになった。科技日報が伝えた。
 20日に上海市で開かれた「海洋科学観測船技術ハイエンドフォーラム2017」で発表された情報によると、中国の新型科学観測船の開発と設計は、世界の発展をリードしている。今年8月時点で、設計もしくは建造中の海洋科学観測船は約10隻で、世界最多となっている。これには中国が自主建造する初の極地科学観測・砕氷船「雪竜2号」、中山大学次世代大型海洋総合科学観測船、3隻目の大洋掘削船などが含まれる。
 中国船舶工業集団公司第七○八研究所チーフエンジニアの黄蔚氏は、「数が増えただけでなく、中国の新型科学観測船は性能などの面でも世界先頭集団に入り、業界の発展をリードしようと努力している。60数年間の発展により、中国の科学観測船は改造から新規建造、近海から遠洋や極地へと邁進している」と述べた。
 急成長する極地観測の需要を満たすため、雪竜2号の建造が始まっており、2019年1月にも引き渡される見通しだ。雪竜号と比べると、新型の雪竜2号は船首・船尾の双方向かつ持続的な砕氷能力を持つ。作業期間は雪竜号と比べ約2-3ヶ月延びる。これは以前ならば観測できなかった科学現象が観測できることを意味する。
 中国海洋大学の「東方紅3号」は、5000トン級の新型遠洋・深海総合科学観測実習船で、2018年に正式に引き渡される。先進的な設備を持つ探査・実験分析などのシステムにより、船と陸上の情報ネットワークの一体化を実現する。
 世界3隻目の大洋掘削船も計画中だ。同船は地震メカニズムの解明を促し、深海の生物圏とメタンハイドレートを調査する。新世紀の地球の系統的科学研究の場を構築し、人類のマントル探査の夢を実現する。

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