2017年10月16日-10月20日
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中国が2030年に、世界の主要AI革新センターに

2017年10月27日

 中国検索大手の百度は先週、提携先との戦略的協力協定に署名した。これにより2018年にも実用クラス自動運転微小循環バスの小規模量産と試験運行を実施する計画だ。中国自動運転バスの完成車設計、量産標準、道路走行モデルの模索の先例となる。
 百度の自動運転市場への進出は、中国企業のAI(人工知能)における野心を示している。百度と厦門金竜聯合汽車工業有限公司が共同開発する金竜客車第2世代自動運転微小循環バスは、特定シーンでの完全な自動運転を実現する。主な応用シーンは、公共交通網が届かない「最後の1キロ」の不便を解決すること。自動運転のソリューションプランを提供するほか、百度自動運転プラットフォーム「アポロ」はさらに、マンマシンインターフェースシステム、特定シーンの需要構造、微小循環特定自動運転システムなどの設計にも参加する。
 習近平総書記は中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の報告で、「先進製造業の発展を加速し、インターネット、ビッグデータ、AIと実体経済の深い融合を促す」と指摘した。このように中国政府はAIをすでに国家戦略として確定している。2030年までにAI理論・技術・応用の全体を世界トップ水準にし、世界の主要AI革新センターになることを目指している。また、中国の同分野の国際科学技術論文発表数、発明特許取得件数は世界第2位になっている。
 世界的に有名なコンサルティング会社のPwCは報告書の中で、AIは現在から2030年にかけて、世界のGDPを14%成長させると予想している。ゴールドマン・サックスも先ごろ「中国がAIで台頭(China's Rise in Artificial Intelligence)」と題した報告書の中で、「AI発展をめぐり、中国には人材・データ・インフラなどの条件が揃っている。経済規模は世界第2位で、政府がAIを支持する多くの政策を打ち出している(「インターネット+」行動計画など)。中国にはさらに百度、アリババ、テンセントなど、数多くのIT企業がある」と分析している。

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