衛星の海上打ち上げ、来年にも実現へ

2017年 11月3日

 中国のロケット打ち上げ作業は将来的に、4大発射場(酒泉、太原、西昌、文昌)以外でも行われる。国際商用ユーザーの需要に基づき、中国の長征ロケットは固体燃料ロケットによる海上打ち上げサービスを開発中だ。中国航天科技集団公司の楊保華副総経理は、中国は2018年に初となる海上商用打ち上げを実現する見通しと表明した。新華社が伝えた。
 楊副総経理は、「現在の商用打ち上げの低コスト、短い準備期間という需要を見据え、当社は豊富で多様な商用発射場ソリューションプランの提供に尽力する。便利で低価格でローコストな低軌道小型ロケット打ち上げサービスでは、既存の長征6号と長征11号が柔軟に対応できる打ち上げ、迅速な反応の特徴を持つ。これを踏まえた上で、低軌道の打ち上げ価格を重さ1キロ当たり5000ドル(約57万円)まで引き下げ、打ち上げ準備期間を1週間に短縮できる見通しだ」と話した。
 中国は海上打ち上げの明確な計画を策定していた。中国航天科技集団公司第一研究院宇航部の唐亜剛副部長によると、長征ロケットは今年中に海上打ち上げの重要技術試験を行い、来年にも国際商用ユーザーにこの打ち上げ方法を提供する見通しだ。長征ロケットは重さ500キロの衛星を軌道傾斜角0-10度、高度500キロの軌道に届けることができるようになる。
赤道付近に位置する多くの国では近年、近赤道・低傾斜角衛星の打ち上げの需要が旺盛になっている。この衛星を打ち上げる場合、赤道に近いほど積載量の損失が減り、打ち上げコストが下がる。そのため赤道に近い海上からのロケットの打ち上げは、宇宙強国が競って開発する打ち上げ方法となっている。
 唐副部長は、「海上打ち上げは技術的にそれほど難しくはない。海上打ち上げプラットフォームは、1万トン級の一般的な貨物船に改造を加える。ロケットは、打ち上げ施設への依存度が低く、技術的に成熟している固体燃料ロケットを採用する」と述べた。


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