2017年11月01日-11月03日
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長江スナメリの科学観測が本日開始

2017年11月10日

 長江スナメリ科学観測が本日11日よりスタートする。観測チームはこれから約40日間かけて3400キロ航行することになる。長江スナメリの大規模な科学観測は5年ぶりで、今回が3回目。現場指揮、中国科学院水生生物研究所博士の■玉江氏(■は赤へんにこざと)によると、今回の科学観測はスナメリの数の変化、群の分布、生息地の変化を観測する。北京青年報が伝えた。
 この「水の精霊」と呼ばれる長江スナメリは、すでに地球上で約2500万年も生息している。長江流域のみで発見されている、中国特有の種だ。第2回科学観測の結果によると、長江スナメリの数はわずか1000頭余り。うち長江本流の数は505頭前後のみ。これは2006年の第1回科学観測の結果と大きな差がある。同氏は「驚異的」と表現し、「6年間の減少率は13.7%だ」と説明した。
 約40日間をかけ3400キロ航行する今回の長江科学観測は、12月20日に終了を予定している。その後さらに◆陽湖(◆は番へんにおおざと)と洞庭湖のスナメリの生存現状を観測する。同氏は、「具体的な観測結果は、来年3月に発表する」と述べた。
 その観測の進め方について、同氏は「科学観測方法は2006年と2012年を参考にし、目視と船尾で曳航するパッシブソナーを結びつけ、50キロ毎に水や泥、水中の音声などを収集する。これまでの観測と異なり、今回はドローンのカメラを利用し、スナメリの生息地環境を観測する」と説明した。

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