2017年11月06日-11月10日
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世界スパコンランキング、中国が再び首位に

2017年11月14日

 世界スパコンランキング「TOP500」の最新版が13日に発表された。中国製スパコン「神威・太湖之光」と「天河2号」が4回連続で1位と2位を占めた。また中国のスパコンランクイン数が再び米国を抜き、世界一になった。新華社が伝えた。
 TOP500は半年毎に発表。今回は「神威・太湖之光」と「天河2号」が再び1位と2位を占めた。前者の連続演算性能は毎秒9.3京回、後者は3.39京回。米国は2回連続でトップ3入りを逃した。米国の「Titan」は半年前、スイスの「Piz Daint」に抜かれ4位に落ちたが、今回はさらに日本の「暁光」に抜かれ5位に順位を落とした。
 業界関係者によると、米エネルギー省は新型スパコン「Summit」「Sierra」の開発を支援している。前者の計算性能は「神威・太湖之光」の約2倍で、来年にも稼働開始する見通しだ。そのため早ければ半年後、米国は再び世界最速のスパコンを所有することになる。
 ランクイン数を見ると、中国は昨年6月に167台対165台という僅差で、長期間にわたり首位をキープしていた米国を初めて追い越した。昨年11月は両国ともに171台で首位。米国は今年6月、169台で159台の中国を追い越し、再び首位に返り咲いた。
 しかし今回の中国のランクイン数は過去最多の202台で、米国は144台に減少。双方の順位に再び変動が生じた。
 メーカーを見ると、中国の浪潮集団の活躍が際立ち、今回のランクイン数は半年前の20台から56台に増加し、コンピュータ企業のなかで第3位となった。同社高性能サーバー生産部総経理の劉軍氏は、「中国は近年、スパコンに巨額の投資を行っている。企業の高性能計算サービスの提供も進んでいる。中国のスパコン開発部門とメーカーも、製品の技術革新を重視している。そのため全体的な競争力とパフォーマンスが大幅に向上した」と話した。
 劉氏はこの成績について、「スパコン市場の主流製品である、CPUやGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)といったコア技術が、米国企業に主導・把握されていることを認識しなければならない。中国のスパコン応用能力と人材には一定の改善が見られるが、欧米と比べるとまだ大きな差があり、発展に向け努力を続ける必要がある」と警鐘を鳴らした。

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