2017年11月06日-11月10日
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中国製医療補助ロボットが医学試験に合格

2017年11月16日

 4回・150分間のテストを1回平均15分8秒で終え、合格ラインを96点上回る計456点を記録、という成績をあげた清華大学と科大訊飛が共同開発するAIロボット「智医助理」が14日に正式に発表された。中国新聞網が伝えた。
 「智医助理」は今年8月26-27日にAIロボットとして、国家医学試験センターが指定するネット接続不可で電波が届かない試験会場内で、2017年度国家医師資格試験を受験した。専門家の採点と評価・審査により、同ロボットは456点の成績を記録した。これは全国53万人の受験生のうち、中の上という水準だ。同ロボットは医学分野の総合筆記試験に合格し、世界初の快挙となった。
 清華訊飛共同実験室の呉及主任によると、大量の医学知識をコンピュータ内で表示することは困難であり、伝統的な知識画像技術では医学知識を描写する需要を満たせない。学習問題を解消するため、呉氏とチームは「語彙テンソル」方法を打ち出した。医学試験の需要を満たすため、医学本科の全教材、臨床指南、典型的な症状ケースなどの資料を学習させた。これによりロボットは医学分野の「テンソル化」の概念と関係を表示することができ、膨大な医学知識バンクを自ら形成した。
 呉氏は「解答の際に、医学試験ロボットは自主的な思考により、まず問題の全体的な意味と選択肢を全面的に分析する。同時に各選択肢が正確な答案を導き出すための証拠を探し、問題の内容・選択肢・証拠という3者間の関連性と信頼性を計算し、最終的に総合的に判断し答えを出す」と話した。
 科大訊飛医療総経理の陶暁東氏によると、同ロボットは2018年3月に全国規模で投入される。ロボットは助手の役割を演じ、臨床補助、規範的研修、医学教育などの各方面で応用できる。
 安徽省合肥市は現在、中国で2ヶ所目となる総合性国家科学センターを建設中だ。中国唯一の類脳スマート技術・応用国家工学実験室、唯一のAIに位置付けられる国家級スマート音声ハイテク産業化基地はいずれも合肥市に建設されている。

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