2017年11月13日-11月17日
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教育の質、AIで向上可能

2017年11月22日

 人工知能(AI)やビッグデータ、モバイルネットワークなどの新技術は、いま流行中のオンライン英語交流・教育、大学のネット公開授業など、新たな教育方法を生み出している。先ごろ開かれた「AI時代の教育アップグレード」をテーマとした会議において、国内外の専門家はAIが「学区房(優良校の学区内にある住宅)」などの教育資源の不均衡を解消し、教育の質を高めることができると指摘した。新華社が伝えた。
 アント・フィナンシャル首席データ科学者の漆遠氏は、米パデュー大学コンピュータ学科と統計学科で教鞭を執ったことがあり、教育の課題の一つは資源の不均衡と考えている。漆氏は、「学区房の現象は中国も米国も同じだ。これは良き教師と雰囲気の不足によるものだ。スマート技術の登場は、教育資源の不均衡の打破を促す」とした。
 漆氏は、AI技術とビッグデータ分析を結びつけたオンラインプラットフォームを利用することで、多くの人に高品質の教育資源を提供できると考えている。1人の優秀な教員が分身の術を使う孫悟空のように無数になり、スマートプラットフォームを通じて全世界に向け知識を伝授できるからだ。
 また一部の専門家は、AI技術で表情を認識し、学生の状態を分析し、発音を訂正し答案の採点をすることで、教員を多くの煩雑な作業から解放させることができるとしている。それにより教員は教育水準を高め、学生との交流を強化することに専念できる。
 オンライン公開授業とオフラインの授業の効果に差はあるのだろうかという問題について、米マサチューセッツ工科大学の調査は、その効果にはほぼ差がないと結論付けている。マサチューセッツ工科大学スローンスクール・オブ・マネジメント教授の黄亜生氏は、「オンライン授業はリアルタイムで生徒の意見を聞くことができる。教員はすぐに内容のどの部分を理解してもらえなかったかを意識し、直ちに改善することができる。オフラインの授業では、これほど正確かつスムーズな反響はない」と指摘した。
 今回の会議を主催した愛楽奇教育集団創業者兼CEOの潘鵬凱氏は、「新技術により新しい教育手段が誕生している。しかし教育は腰を据え、教育法則全体を理解し、シーンによって異なるオンラインスマート商品を作らなければならない」とする。
 専門家は、学習力を高めるためにはAIなどの技術でより多くの知識を得るほか、好奇心と創造力を刺激する必要があると指摘した。AIの教育への応用には、まだこのような取り組みが残されている。

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