2017年12月01日-12月01日
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塞罕バ林場の建設者が国連「地球大賞」を受賞

2017年12月06日

 ケニアのナイロビで現地時間5日に開催された第3回国連環境総会において、国連環境計画は中国の塞罕バ林場(バは土に貝)の建設者に、国連で最高の環境賞「地球大賞」(Champions of the Earth)を授与することを発表した。「地球大賞」は2004年に設立された国連で最も影響力のある環境賞となっており、国連環境計画が毎年、環境分野で多大な貢献を成し遂げた個人もしくは組織に授与する。塞罕バ林場は「地球大賞」の「奨励・行動賞」を受賞。また、中国シェア自転車大手・摩拝単車(Mobike)は「ビジネス界卓越見識賞」を、中国億利資源集団の王文彪会長は「終身成果賞」を受賞した。チリのミシェル・バチェレ大統領らがその他の賞を受賞した。人民日報が伝えた。
 塞罕バ林場は中国が生態文明建設を力強く推進している姿勢をよく示す例といえる。1962年の建設以来、3世代に渡る林場建設者らは「黄砂が空を覆い、鳥が羽を休める木もない」荒漠の土地で奮闘し、献身的に働いてきた。約7.5ヘクタールの面積が世界最大の人工林を作り、現地の森林カバー率を11.4%から現在の80%にまで引き上げ、砂漠を緑の海にするという奇跡を生み出した。実際の行動で「豊かな自然は金銀ほどの価値がある」という理念を説明し、使命を銘記し、起業のため汗水を流し、グリーンに発展するという塞罕バ精神を培った。
 国連環境計画のエリック・ソルヘイム事務局長は取材に対して、「習近平国家主席は『豊かな自然は金銀ほどの価値がある』、『生態文明建設』、『美しい中国』など一連の環境保護理念を打ち出し、偉大なる環境保護キャンペーンを開始した。中国は河川管理、国立公園の保護、大都市の大気汚染改善などの面で、大きな成果を手にしている。中国は新技術と新実践により、環境保護事業と経済発展を効果的に結びつけた。中国の環境保護の経験は、発展途上国や世界にとって良き見本であり、重要な啓示の意義を持つ」と話した。
 陳彦嫻さん(73)は塞罕バ林場第1期建設者の一員だ。陳さんは、「55年前、私たち369人が黄砂に空を覆われ、草木が育たない塞罕バに入ったとき、平均年齢は24歳未満だった。半世紀以上に渡り、3世代の人々は植林に専念し、砂漠を青々とした水と山に変えようとした。私たちは自ら緑の奇跡を生み出したことを、この上なく誇りに思っている。さらに多くの塞罕バのような緑の奇跡が、古い中国に活気を与えている。緑を植えることで美しい自然を収穫できる。希望を植えることで、未来を収穫できる」と話した。

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