2017年12月11日-12月15日
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中国の成果が世界の科学研究を彩る

2017年12月21日

 中国人科学者は今年、多くの世界的な科学研究開発成果を手にした。新華社が伝えた。
 世界初の光量子コンピュータの試作機が中国で誕生した。将来的に量子計算には「中国智造」のラベルが貼られ、伝統的な計算能力を超越するための基礎を固めることになる。
 新型高速列車「復興号」が時速350キロで北京・上海間を疾走した。日本の新幹線、フランスのTGVを抜き、中国は高速鉄道営業速度で世界一の国になった。
 国産大型機「C919」が初飛行し、ボーイングとエアバスによる大型ジェット旅客機の独占を打破した。中国民間航空は、さらに遠くに向かう「翼」を手にした。
 米サイエンス誌は3月の特集で、中国人科学者が化学物質を利用し、真核生物酵母染色体4本を人工設計し、真核生物酵母染色体合成の4分の1の作業を終えたと報告した。
 この1年間で中国のエボラワクチンが批准され、メタンハイドレートの掘削に成功し、「海水稲」の生産量が最大で0.06ヘクタール当たり620.95キロに達した。中国はこれらの分野で世界トップレベルに達しており、壊滅的な影響を及ぼす疾患への対応、未来のエネルギーの模索、食糧増産の潜在能力の掘り起こしといった、世界的な難題の解消を促している。

◆新時代の革新のメロディーを奏でる
 中国はこの5年間で、科学研究と革新をかつてないほど重視してきた。中国は着実に取り組みを続け、世界の革新リーダーになろうとしている。
 世界の科学技術の版図で中国が台頭する。これには中国政府・企業による投資の継続、基礎研究、人材資源、知的財産権への重視が不可欠だ。
 著名生物学者、米プリンストン大学終身名誉教授の顔寧氏は、新華社記者に対して、「中国の科学研究が近年急発展しているが、最も重要な要素は十分な経費、優秀な人材によるサポートだ」と指摘した。
 中国の科学研究経費は毎年平均で2桁台の成長を維持しており、経済成長率を上回っている。2016年は1兆5400億元(1元は約17.25円)で、GDPの2.1%を占めた。
 「神威・太湖之光」は世界スパコンランキング「TOP500」で連覇を果たした。中国はトップ500台のうち202台を占め、スパコン保有台数で世界一の国になった。その背後には、世界の2割を占めているとも言われる潤沢な中国のスパコン研究開発費の支えがある。
 中国政府はさらに、海外留学生の帰国後の革新・創業を促す一連の政策を打ち出している。帰国した科学者の多くが、関連分野のリーダーになっており、国際的な影響力を持つチームを率いている。

◆中国が先端分野の模索に貢献
 科学者は2015年に初めて重力波を観測し、天文発見の新時代を切り拓いた。各国の科学者は今年10月、人類が初めて2つの中性子星による重力波を初めて捉えたと発表した。この画期的かつ重大な発見に、中国のチームが多大な貢献をしている。
 重力波が観測された当時、発生エリアの観測に成功したX線・ガンマ線望遠鏡は世界に4基しかなかった。中国の「慧眼」望遠鏡は、そのうちの一つだ。中国が崑崙基地に設置する南極サーベイ望遠鏡「AST3-2」も、世界の地上・宇宙望遠鏡約70基と共に、予定座標内で重力波を捉えた。
 また貴州省にある世界最大かつ最も感度の高い電波望遠鏡「中国の天眼」がパルサーを初観測し、中国の科学研究の「初」を実現した。欧州宇宙機関のヴェルナー長官は「中国の宇宙科学プロジェクトは、科学的発見の最前線を歩んでいる」と話した。
 ネイチャー誌は今月18日、今年の10大科学人物を選出した。中国の量子科学実験衛星「墨子号」首席科学者である潘建偉氏が入選した。ネイチャーは、「潘氏は中国を率い、長距離・超安全量子通信の最前線を歩んでいる」と評価した。
 墨子号はこの1年間で、1000キロ級の衛星・地球双方向量子もつれ配送を実現した。中国とオーストリアの科学者は、史上初となる大陸間量子機密通信動画通話を実現した。国際量子物理学の権威であるアントン・ツァイリンガー氏は、「中国の量子機密通信分野の成果は、アインシュタインをも驚かすだろう」と述べた。
 フォーブス誌は、「西側諸国が先端技術を開発する際に、中国は傍観者だった。しかし人工知能(AI)などのいま最もホットな科学技術革新分野では、根本的な変化が生じている。中国はAI分野でもはや単なる追走ではなく、一部の面ではリーダーシップを発揮している」と指摘した。

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