2017年12月18日-12月22日
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中国の衛星打ち上げ事業、海外進出を加速

2017年12月29日

 中国は広大なる宇宙における探索の歩みを止めたことがない。中国は近年、国際商業打ち上げの受注を数多く請け負っている。中国の宇宙船打ち上げ回数は世界トップ3をキープしており、かつ成功率もトップクラスのため、世界で中国宇宙船打ち上げブランドを確立していると言える。人民日報海外版が伝えた。
 1990年に衛星「アジア1号」を打ち上げてから、中国の国際商業打ち上げは約30年間にわたり発展してきた。現在まで中国は20以上の国と地域及び国際衛星機関に代わって、国際商業打ち上げを45回以上実施し、50基以上の衛星を打ち上げてきた。また国際商業搭載打ち上げサービスを10数回提供している。中国は宇宙事業の海外進出で、確固たる一歩を踏み出した。
 中国には、魚を与えるより漁を教えるほうがいい、ということわざがある。中国は他国の衛星打ち上げを支援し、現地に大きな経済効果と国民生活に利益をもたらしたほか、衛星運行、技術サポート、人材育成など「天地一体型」サービスを提供している。例えば今月11日の通信衛星「アルジェリア1号」打ち上げに備え、中国はアルジェリア側の技術者323人を対象に、2015年1月から2016年7月にかけて約128時限に及ぶ総合研修を展開した。これによりアルジェリア側の人員は自力で衛星を制御し、将来的により多くの機能を開発・応用できるようになった。アルジェリア宇宙局長は、このようなハイレベル人材育成はアルジェリアの未来の宇宙技術の持続可能な発展にとって極めて重要だと話した。駐中国アルジェリア大使は、「中国を選んだのは技術や価格といった理由のほかに、中国が技術を伝授し人材育成を支援してくれるからだ。中国は我々と心を一つにし経済を発展させる協力パートナーだ」と述べた。
 長年にわたる数多くの打ち上げ成功は、中国の商業衛星打ち上げが価格面の優位性を備えているほか、打ち上げの成功率も高いことを示している。「長征3号甲」ロケット総指揮の岑拯氏によると、長征ロケットの打ち上げ成功率は98%に達しており、世界トップ水準となっている。
 中国の衛星海外進出は発展途上国に限られず、欧米の先進国との協力も増えている。中国とフランスが共同開発する初の海洋衛星は、総組立及び試験の段階に入っており、来年下半期に打ち上げを予定している。これは中国とフランスの宇宙事業が初めて協力する衛星で、気候変動への対処で重要な力を発揮する。
 この成績を支えているのは政策だ。国務院新聞弁公室は「中国の宇宙事業2016」白書の中で、企業による宇宙事業の国際商業活動への参加を積極的に奨励・支持すると明記した。「一帯一路」(the Belr and Road)宇宙情報回廊の建設、BRICSリモートセンシング衛星ネットワーク建設、宇宙船打ち上げ及び搭載サービス、宇宙事業の人員交流と研修などは、今後5年間の重点協力分野になる。中国はこれらの政策に支えられ、国際市場で宇宙船商業打ち上げの競争を展開していく。
 広大なる宇宙を探索し、宇宙強国を建設する。これは中国が絶えず追い求めてきた宇宙の夢だ。中国の各事業の発展を促し、世界の多くの国に恵みをもたらす。西昌衛星発射センター主任の張学宇氏が、「中国は終始、宇宙の平和的な探索と開発利用は、世界各国が共有すべき平等な権利であり、人類の平和と安全、生存と発展に役立つと考えている」と述べた言葉そのものであると言えるだろう。

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