2018年03月01日-03月09日
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中国の高速鉄道はなぜ速くて安定しているのか?

2018年03月02日

 2018年の「春運(旧正月前後の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)」期間中、北京市や上海市、南京市、広州市などではよりスピーディで安全な新型高速鉄道「復興号」が多くの旅客の選択肢のトップとなった。
 北京南駅切符販売所副主任の康順興氏は、「以前は北京市と上海市を結ぶ列車の時速は100キロ余りで、到着までに一日と一晩かかった。現在は高速鉄道、時速350キロの復興号があり、日帰りで行き来できるようになった」とした。ある乗客は走行中の復興号内で、ペットボトルを逆さに立てる実験を行った。時速350キロで走行中、ペットボトルはまさに「直立不動」のままだった。復興号はなぜこれほど速く走行しても安定さを保つことができるのだろうか。
 復興号を高速で走行させる重要部品のギヤボックスを見れば、その秘密が見えてくるかもしれない。耐用期間30年・2400万キロとは、地球を600周するのに相当する距離となっている。
 江蘇省常州市の工場が、このギヤボックスを生産している。工場内のスマート組立ラインでは、すべての工程がデジタル制御されている。労働者が手にするスマート工具はパソコンの設定に基づき、労働者がボトルを締める力を表示する。パソコンのシステムはこの力が合格範囲内かを判断し、すべての締め具合の一級の精度を維持する。中車戚墅堰研究所首席技能専門家の陸堰龍氏によると、「修型」はギヤボックス内の動輪の最も重要な工程で、ギヤボックスの噛み合わせ能力と摩耗による寿命を直接左右する。ギア表面は、髪の毛の50分の1のスケールであるミクロン級の精度に達する必要がある。
 情報によると、復興号の254項目にのぼる重要標準のうち、中国標準が84%を占めるという。またそのソフトはすべて自主開発となっている。昨年6月より稼働している復興号は、血統書付きの「中国製造」と言えるだろう。
 復興号が採用している各種技術もすでに世界の舞台に立っている。中国の技術者が作り上げた「中国標準」は、世界が追い求める新しい目標になろうとしている。

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