2018年03月19日-03月23日
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中国が超大直径シールドマシンを輸出し、先進国の独占を打破

2018年03月19日

 直径12.12メートル、長さ94メートル、重さ2200トン以上の超大直径シールドマシンが中国からバングラデシュに輸出され、中国の海外最大のシールドトンネルプロジェクト「バングラデシュKarnaphuli川底トンネル工事」に用いられることになった。同プロジェクトは「一帯一路」(the Belt and Road)建設の重要プロジェクトであり、中国・バングラデシュ・インドネシア・ミャンマー経済回廊の重要な一環でもある。アジアの道路網を整備し、バングラデシュと周辺諸国の相互接続を推進する上で重要な意義を持つ。人民日報が伝えた。
 この中国が自主開発した最大直径シールドマシンはこのほど、江蘇省中交天和機械設備製造有限公司(以下、同社)総組立ラインでラインオフした。その輸出により、西側諸国の同分野における独占的な地位を打破した。
 これまで多くの需要を持つ国が、ドイツや日本などから輸入していた。中国による今回の突破は、中国のシールドマシン設計・開発能力が世界トップ水準に達したことを意味する。
 バングラデシュ橋梁建設当局の技術責任者はラインオフ記念式典で「トンネル建設はバングラデシュの国民の長年に渡る夢だ。同プロジェクトの設計は完全に中国の基準を採用しており、シールドマシンも完全に中国が自主開発したものだ。これほど短期間内での引渡しは中国のスピードを十分に体現するものだ」と述べた。
 同社はまた直径13.19メートルのスラリー・バランス・シールドマシンを開発中で、これは東南アジア初の高速鉄道であるインドネシア・ジャカルタ~バンドン高速鉄道1号トンネルプロジェクトに使用される。このアジアの鉄道建設において直径が最大のシールドマシンは、中国の超大直径シールドマシン海外輸出の記録を再び塗り替えることになる。
 中国製シールドマシンは今後さらに、直径18メートルの世界記録に挑む。これは6階建てビルの高さに相当する。開催中の中国両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)において、科学技術分野の全国政協委員、中国工程院院士の楊華勇氏は、「我々は十数年の努力により、この分野で追随から並走への移り変わりを実現したが、さらにけん引に向け発展しなければならない。中国製シールドマシンはすでに国内新規市場の8割以上のシェアを占めており、かつ一帯一路の建設に伴い海外に進出している。イスラエル、シンガポール、タイなど十数ヶ国が、中国製シールドマシンを使用している」とした。

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