2018年04月02日-04月06日
トップ  > 科学技術ニュース>  2018年04月02日-04月06日 >  中国が積雪の特徴とその分布調査を初めて実施

中国が積雪の特徴とその分布調査を初めて実施

2018年04月03日

 新疆阿勒泰はまさに雪の里そのもの。汚染された雪は溶けるのがより早く、放射平衡を乱す可能性がある。雪の粒径は老化の程度、さらには溶けるペースに影響を及ぼす。国家科学技術基礎資源調査特別プロジェクト「中国の積雪の特徴及び分布調査」プロジェクト2017年度総括会議が2日、江蘇省の南京大学で開かれた。積雪の特徴及びその分布に関する国家クラスの全面的な調査研究は、世界でも初となる。科技日報が伝えた。
 これまでは気象台が観測した降雪データしか存在せず、雪が降ったか、積雪量はどの程度かといった単一的な指標しかなく、科学的な方針決定をサポートできる類のデータではなかった。また科学的な積雪地上調査マニュアルや信頼性の高い積雪リモートセンシング商品がなく、科学研究及び業界での応用の需要を満たせていなかった。中国は2017年に「中国の積雪の特徴及び分布調査」を開始した。統一的かつ規範的な積雪特徴データ集と時空動的変化データバンクを構築することで、雪氷圏及び気候変動の研究や水資源評価、積雪災害観測とその早期警戒に基礎的データを提供することを目指す。
 プロジェクト首席科学者で中国科学院西北生態環境資源研究院研究員の王建氏は取材に対して、「調査は地上とリモートセンシングで同時進行される。地上調査は積雪の密度、水分、粒径など20弱の数値を調査・測定する。リモートセンシング調査は主に積雪の面積・深さ・反射率を反転させる。最後に調査により得られた積雪の特徴及び分布データ集を利用し、中国の積雪の種類を区分し、かつ一連の積雪の特徴及び分布をテーマとする地図を作成する」と説明した。
 科学研究者たちは2017年11月から今年3月にかけて、6本の積雪調査ルートに分かれ、積雪の蓄積期間と安定期間、溶解期間に基づき、西北・東北・内モンゴル・チベット高原など中国の典型的な積雪エリア及び南方を訪れ、中国初の全国的かつ大規模な積雪屋外調査・データ収集を展開した。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます