2018年04月09日-04月13日
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海水稲の試験栽培が全国で展開

2018年04月09日

 「海水稲」は中国の育種専門家がハイブリッド育種技術と通常の育種方法を使い栽培する新型塩・アルカリ耐性稲だ。青島海水稲研究センターが発表した情報によると、海南省南繁基地にある1000件以上の海水稲サンプルの中から、すでに176件の優良品種が選び出されており、今年中にも全国の広い範囲で試験栽培が始まる見通しだ。中央テレビ網が伝えた。
 同センターの張国棟副主任は、「中国の約1億ヘクタールのアルカリ性土壌は全国各地に分布しており、気候帯や日照条件などが異なる。今年初めて全国5ヶ所の主要累計アルカリ性土壌で試験を行い、異なる地質条件の下でこの176件の海水稲サンプルの最終生産量と品質を検証していく」と説明した。 
 中国の「海水稲の父」と呼ばれる科学者である陳日勝氏は、1986年に広東省湛江市の海辺のアシ畑の中から、野生の海水稲を発見した。その後30年間以上にわたる研究を経て、塩・アルカリ耐性稲の品種「海稲86」を栽培した。
 袁隆平氏のチームは2014年に「海稲86」の改良に参加し、同センターを設立した。大まかな淡水化処理が施された海水灌漑の水田で試験を行い、段階的な成果を手にした。海水稲試験栽培の生産量は、2016年に0.06ヘクタール当たり500キロを突破し、2017年10月には最高621キロに達した。中国の海水稲の品種は、まだ開発・栽培の段階にあり、正式な普及前にはさらなる科学研究と観察が必要となっている。

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