2018年04月16日-04月20日
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中国の人々の暮らしに広がる「スマート・スタイル」

2018年04月19日

 近年、中国におけるインターネットの発展には目を見張るものがある。ビッグデータやクラウドコンピューティング、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)といった情報技術の革新と融合は、デジタル経済のスピーディな発展を大いに促進している。雨後の竹の子のように次々と登場する様々なスマート製品は、中国の人々の日々の暮らしを変化させている。スマート冷蔵庫やスマート掃除ロボット、スマートカーテン、スマートコンセントというように、今や人々は常にスマート製品と向き合っていると言っても過言ではない。
 師さん(30)は、日常生活における「スマートスタイル」について、「朝起きると、AIスマートスピーカーが天気予報を流し、最適な通勤コースを選んでくれる。家事が忙しい時には、スマートスピーカーが私の代わりに子どもに物語を聞かせてくれる。昼は注文ロボットで頼んだご飯を食べる。冬や夏であれば、会社から家に帰る前に、携帯で予めエアコンをつけておく。旅行や出張の際には、スマートホームシステムで家の様子をチェックする」と紹介してくれた。
 便利でスマートな生活スタイルは、すでに中国の消費者が普遍的に追及するスタイルとなっており、各種のスマート製品はショッピングモールの「主役」となりつつある。
 中国各ネット通販プラットフォームの売り上げデータによると、スマート化とブランド化、カスタマイズ化された商品が中国の消費者が優先的に考慮する選択肢となっており、消費の全面的なアップグレードが今まさに進んでいるというのが現状だ。
 スマート携帯からスマートホーム、更には銀行や病院まで、スマート製品とスマート化操作モデルは、徐々に中国の人々の暮らしの津々浦々にまで浸透し始めている。
 湖北省長沙市では初のスマートロボット駐車場が誕生した。駐車場の出入り口に備え付けられたスマートロボットは、音声ガイド、QRコードや現金による支払い、レシートの印刷、ナンバープレートを付けていない車両の料金支払いなどの機能を備えている。
 また、今年4月9日には中国建設銀行の上海市支店に「無人銀行」も正式にオープンした。これは中国銀行界の初の無人銀行となり、銀行業務の全過程において銀行職員を必要としない。
 こうした現状を受けて、ますます多くの企業がその投資先をスマート製品に移行し始めている。2016年にロボット業界に進出した北京猟豹移動科学技術有限公司は、今年3月、自主開発した猟戸ロボットプラットフォームを発表した。また、応対ロボットや小売ロボット、子供付き添いロボットといった製品も次々に打ち出している。
 北京航空航天大学の王田苗教授は、「人類の生活に対する安全、楽しみ、健康などのニーズが、科学技術の発展を促進してきた。人工知能はすでにロボット、医療、教育と製造の各方面において広く利用されている」とし、新しい時代において、中国は人工知能の効率の良さ、精確さ、そして予測機能というメリットを携えて、消費産業と社会を再構築すしていくことになるとの見方を示した。

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