2018年04月16日-04月20日
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中外の科学者で域外シルクロード遺跡を初めて発見

2018年04月20日

 中国科学院リモートセンシング・デジタル地球研究所(以下、同研究所)が発表した情報によると、中国の科学者が空間考古技術を用い、シルクロード西端のチュニジアで、古代ローマ時代の考古遺跡を10ヶ所発見した。中国の科学者がリモートセンシング技術を使い、中国域外で考古遺跡を発見したのはこれが初めてとなる。これらの遺跡は古代ローマ時代の南線軍事防御システムの配置や農業灌漑システムの構造を明らかにした。科技日報が伝えた。
 「デジタルシルクロード」国際科学計画世界遺産活動チームは19日、チュニジアの首都チュニスで「一帯一路」(the Belt and Road)リモートセンシング考古記者会見を開いた。その席で、同研究所の王心源研究員が率いる空間考古研究チームは、チュニジアとイタリア、パキスタンの科学者と協力し、空間考古技術と手段を利用し今回の発見を実現したことを発表した。
 王氏によると、今回の共同調査には2年以上かかったという。2016年1月に北京で室内リモートセンシング画像処理・分析を行い、2017年4月と11月、2018年4月に現地の考古専門家と実地調査・検証を行った。最後にチュニジア南部で、新たに古代ローマ時代の10ヶ所の遺跡を発見したことを確認した。これには3ヶ所のリメス(防砦)、2ヶ所のフォート(要塞)、1ヶ所の農業灌漑システム、3ヶ所の溜池、1ヶ所の墓が含まれる。これらの考古遺跡は古代ローマ時代の帝国南部辺境の軍事防御システムを反映している。うちリメスとフォートは辺境の防御・保護に用いられ、南部と西部の遊牧民による侵略を防いでいた。農業灌漑システム及び淡水をためる溜池は、辺境の軍人と百姓の食糧生産と生活の需要を満たしていた。

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