2018年05月14日-05月18日
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FASTがアップグレードして宇宙観測速度が5倍に

2018年05月18日

 中国の「天眼」、口径500メートル球面電波望遠鏡(FAST)が17日、世界初となる19ビームLバンド受信機を取り付け、来月上旬に使用開始されることになった。この世界最先端の受信機は、中国と豪州の科学者が共同開発しており、稼働開始後にはFASTの宇宙観測速度が5−6倍に向上し、科学観測目標をさらに拡張できることになるとみられている。科技日報が伝えた。
 これまで使用されていた超広帯域マルチビーム受信機の観測能力は限定的であったが、FASTは14個のパルサーを新発見した。最近見つかったミリ秒パルサーは、FASTのパルサー探査の高い潜在力を再び示した。中国と豪州は2015年に、19ビーム受信機の開発契約を結んだ。1年以上の月日をかけ、世界初の19ビームLバンド受信機を開発した。その重さは1.2トンで、開発費は2000万元(1元は約17.45円)以上。
 19ビームLバンド受信機の稼働に伴い、FASTは観測中に電波源のより正確な測位画像を入手でき、より多くのパルサーを発見できる。さらに宇宙の距離と方向の異なる中世水素1.4GHzスペクトル線を観測でき、宇宙の歴史をより良く探査し、さらには存在しうる地球外文明を探査できることになるとみられている。

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