2018年06月25日-06月30日
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中国初の海底環状生態観測ネット、投入に成功

2018年06月28日

 中国初の海洋水中生態環境定量オンライン観測システムが、渤海と黄海の境界線に位置する山東省蓬莱ですでに3日間稼働している。プロジェクト責任者、国家海洋技術センター研究員の羅続業氏は27日、取材に対して、「中国が3年をかけ自主開発した初の海底環状生態観測ネットが、投入に成功した。これは中国海洋生態オンライン観測活動が、新たな段階に入ったことを意味している」と話した。科技日報が伝えた。
 羅氏は、「水温と塩分が上がって、その圧力が高まると、海水中のpH値と溶存酸素の濃度が下がる。一定の水深に達すると濃度が変わらなくなり、圧力が高まり続け、溶存酸素の濃度が低下から上昇に転じる。これには水温・塩分・水深のpH・溶存酸素に対する影響の数学モデルが必要になる。各種要素が全体に占める誤差を研究し、センサーの環境要因影響をリアルタイムで補完することで、センサーの測量の精度をさらに高めることができる」と例を挙げて話した。
 情報によると、同プロジェクトの実施により近海の伝統的な分散型サンプル収集作業が、長期的かつ持続的な、リアルタイム・オンラインの観測モデルに変わる。また国産生態センサーの長期的・安定的な性能を高め、目標海域の水質の全過程における観測及び突発的水質リスクの正確な早期警戒を実現する。また、近海で多発する生態災害、悪化を続ける生態環境の観測及び早期警戒などに、技術面のサポートを提供する。

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