2018年07月16日-07月20日
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中国が自主開発した抗HIV薬、販売認可得る

2018年07月16日

 国家薬品監督管理局が15日に発表した情報によると、中国が独自に開発した抗HIV新薬「艾可寧」(注射用「艾博韋泰」)が、販売認可を得た。これは世界初の抗HIV-1長期有効融合抑制剤であり、中国初の独自の抗HIV新薬だ。その販売認可は、中国が抗HIV薬のゼロからの突破を成し遂げたことを意味する。科技日報が伝えた。
 同薬の開発は、第1期「千人計画」専門家、前沿生物薬業(南京)股フン有限公司(フンはにんべんに分)董事長の謝東博士が担当した。国家薬品監督管理局は、「その他の抗レトロウイルス性薬剤と同時に使用することで、その他の各種抗ウイルス薬剤による治療を受けたとしても、依然としてウイルス複製のあるHIV-1感染者を治療できる」と認めた。
 専門家は、「中国のHIV治療薬は長期的に輸入に頼っているが、HIV臨床対抗の新薬の需要が日増しに拡大している。すでに各種薬剤による治療を行った早期HIV発症者は、薬剤抵抗性が生じる。薬剤抵抗ウイルスが伝播し治療に用いることのできる新薬がなければ、極めて深刻な結果になる」と指摘した。
 国家薬品監督管理局薬剤審査センター化学薬品臨床二部審査・評価員の趙建中氏によると、これまでの抗HIV薬は毎日2回使用する必要があり、局部の副作用が比較的深刻だった。同薬は、この点で改善されている。治療効果は非常に長く、1週間に1回注射するだけで良い。また、既存のデータを見る限り、その治療効果と安全性は良好で、HIV治療に新たな手段をもたらした。
 専門家は、「同薬の発売により、HIV薬剤抵抗性を持つ患者の臨床治療に救命薬が備わり、その他の副作用を抱える患者に新たな選択肢がもたらされた」と述べた。

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