2018年10月15日-10月19日
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じゃがいもの中国における生産拡大に期待

2018年10月17日

 世界食糧デーの10月16日、中国農業科学院の李金祥副院長は、「耕作面積の減少及び単位あたり生産量の増加の余地がほぼ残されていないことから、中国の伝統的な食糧作物の総生産量が、短期間内に大幅に増加することはない。ところがじゃがいもは理想的な全栄養食物であり、その単位あたり生産水準と栽培面積にはまだ相当大きな潜在力が残されている」と述べ、次のように指摘した。科技日報が伝えた。
 小麦や稲と比べると、じゃがいもは低カロリーだが食物繊維が豊富で、高品質のタンパク質が含まれるといった特長がある。その他の食糧作物と比べると、じゃがいもはやせた土地でも育ちやすく、干ばつに強く、生育期間を長短に調整でき、栽培する際の気温に対する条件も厳しくない。そのため干ばつ・半干ばつ地域のやせた土地でも、南方の冬季遊休畑、西南の低温山間部などでも、その他の食糧の畑を占有しないことを条件に生産できる。さらに栽培による収益が高めであり、栽培業構造調整の優先的な作物だ。さらにじゃがいもはその他の作物と比べ、産業チェーンが長いという長所がある。中国ではじゃがいもをそのまま食べる割合が6割、加工して食べる割合が2割前後となっているが、じゃがいもは高付加価値加工によりその価値を5−10倍以上に高めることができる。また、中国のじゃがいも栽培面積の6割が高原、寒冷地、辺境、貧困地域、過疎地に分布している。統計によると、国内592ヶ所の貧困県のうち、8割以上がじゃがいもを主要作物としている県となっている。じゃがいもはこれらの地域の人々が生存を維持するための主食であり、重要な収入源になっている。政府が主導し市場が積極的に追随するじゃがいもによる正確な貧困支援の新構造が形成されようとしている。

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