2018年11月26日-11月30日
トップ  > 科学技術ニュース>  2018年11月26日-11月30日 >  相乗効果が現れつつある科学研究の国際協力

相乗効果が現れつつある科学研究の国際協力

2018年11月27日

 中国の科学研究者が加わる国際チームは今年8月に英国の学術誌「ネイチャー・フォトニクス」に論文を発表した。彼らはシリコンフォトニクス技術により異なる量子情報処理を遂行できる汎用光量子計算チップを開発した。これは光量子コンピュータの大規模実用化の重要な一歩を推進した。中国教育報が伝えた。
 この光量子チップは、中国の軍事科学院国防科技革新研究院、国防科技大学、中山大学北京大学、英国のブリストル大学などの機関の科学研究者による国際協力の重大成果だ。
 光量子チップは中国と海外の科学界による協力の縮図だ。実際には、多くの経費と科学者を必要とするヒトゲノム計画、国際宇宙ステーション計画など多くの重大科学発見が、国と国の学科・分野・国境を跨ぐ協力を必要としている。そして、この国際協力は、中国の大学の間では一般的となっている。武漢大学だけでも、研究が展開されている国際科学技術協力プロジェクトは52件にのぼる。
 国際共同論文の数と専門分野の分布を見ると、中国人学者が国際科学技術協力及び巨大科学プロジェクトで忙しく働いていることが分かる。
 科学研究評価ツール「SCI( Science Citation Index)」データバンクの統計によると、2017年に収録された中国の論文のうち国際協力によってまとめられた論文数が、前年比1万3900本増(16.6%増)の9万7400本に達した。中国が発表した論文に占める国際共同論文の比率は27%。中国人が筆頭著者となる国際共同論文は2017年に6万7902本に達し、中国のすべての国際共同論文の69.7%を占めた。提携先は155カ国・地域。その他の国の著者が筆頭著者となり、中国が作成に参加した国際共同論文は2万9484本で、提携先は182カ国・地域。
 国際共同論文の専門分野の分布を見ると、中国は化学、生物学、物理学、臨床医学、材料科学、電子・通信・自動制御などが多い。これらの専門分野が世界の学術界から注目されており、革新の活力が最も旺盛であることが分かる。
 提携先を見ると、中国人を筆頭著者とする6万7900本の共同論文のうち、米国、英国、豪州、カナダ、日本、ドイツが中国人学者の6大提携先となっている。中国が参加した2万9484本の国際共同論文のうち、米国、豪州、英国、ドイツ、日本、カナダが中国人学者の6大提携先となっている。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます