水産物は養殖より天然のほうが美味しい? 寄生虫のリスクも

2018年 12月5日

 淡水蟹が成熟し、蟹を食べるシーズンが到来した。一部の店は「天然」のレッテルを貼った蟹を売り出している。この蟹は一般的な蟹より割高だが、多くの人が殺到している。天然のものは、本当にそれほどいいのだろうか。科技日報が伝えた。
 上海海洋大学水産・生命学院の成永旭教授によると、天然の蟹は現在、主に養殖から逃げ出し川・湖沼(もしくは川や湖沼への放流)で自然に成長した蟹の可能性がある。このような天然の蟹は一般的な意義において、養殖の蟹(同じ川・湖沼や同じ水源池で養殖した蟹など)と比べグリーン・安全で、味も優れている。ところが自然環境が汚染され、重金属やダイオキシンなどが存在すれば、食物連鎖などを通じ蟹の安全が脅かされる。逆に言えば、養殖の環境が非常によく管理され汚染が存在せず、かつ餌も安全で健康的なものであれば、このような養殖の蟹も安全でグリーンだ。
 飼育水循環型養殖は最も現代的な養殖方法だ。水質環境の全プロセスにわたる管理が現代的であり、処理効率が極めて高い生化学ろ過システムを使い、さらに酸素を直接用い溶存酸素濃度を上げ、餌を厳しく管理するため、このような水産物の方が安全性がより高くなる。
 しかし、品種の差、地域の差、使用する水源の差、養殖業者の理念の差により、商品の安全性には違いが生じる。
 そのため成氏は、天然か養殖かだけで蟹が安全・グリーンであるかを判断することはできないと指摘した。天然というならば、その稚魚がどこから得られたのかや、環境汚染の程度について調べなければならない。養殖というならば、どのような養殖方法を取っているのか、養殖環境や餌の管理はどうなっているのかを調べなければならない。こうして初めて比較可能になる。
 中国科学院水生生物研究所の王桂堂研究員はかつて、文章の中で次のように指摘した。寄生虫病予防を考えれば、養殖魚は天然魚よりも安全だ。サケ・マス類を例とすると、海水であろうと淡水であろうと、養殖は天然よりも安全だ。人工的な集約化で養殖されたサケ・マス類は、生で食べたとしても(推奨しないが)寄生虫に感染する可能性は低い。しかし天然のタイセイヨウサケやマグロなどを刺し身で食べるならば、アニサキスの感染に要注意だ。肝吸虫も同じで、中国の天然のコイ科の感染率は、集約化された養殖魚よりも高い。


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