2018年12月17日‐12月21日
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香港中文大学、家庭用インフルエンザ診断キットを開発

2018年12月18日

 香港では冬のインフルエンザ流行ピークがまもなく到来する。症状が現れた場合、民間のクリニックのクイック診断だとややもすれば1000香港ドル以上かかってしまう。香港中文大学の大学生でつくるチームは30分で結果が出る家庭用の診断キットを開発した。さらにそのコストは100香港ドルを下回る。その原理としては、ウイルスのRNAを用い種類を特定することだ。香港紙「大公報」の記事を引用し、中国新聞網が伝えた。
 香港中文大学工商管理学院、工程学院、医学院生物医学学院、理学院生命科学学院の大学生12人でつくる遺伝子工学チームは、インフルエンザを急速に診断するシステムを開発した。ウイルスのRNAを利用しA・B・C型のウイルス、及びH1N1、H5N1、H7N9などを特定する。利用者はスマートフォン1台と検査装置1台があれば、家庭内でわずか30分で自己診断できる。
 同システムは蛍光アプタマーを使用して診断する。改造された蛍光アプタマーが別の核酸分子と結びつくと目にすることができる蛍光を放つことで、インフルエンザやその他のウイルスの塩基配列などウイルスの配列の存在が示される。
 同チームによると、同システムはコスト100香港ドル未満の携帯型蛍光検査装置によってアプタマーが発する蛍光を調べ、スマホアプリによって検査結果を分析する。市民はスムーズかつ便利にインフルエンザウイルスを検査できる。現在の画像処理の精度は80%以上だが、ウイルスの種類の特定やインフルエンザの検査の精度をさらに高める必要があるという。

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