月探査機「嫦娥4号」が担う3つの科学任務を専門家が紹介

2019年 1月7日

 月探査機「嫦娥4号」は3日、月裏側での軟着陸に成功した。これにより人類史上初の探査機による月の裏側での軟着陸を実現させた。中国科学院月・深宇宙探査総体部主任で中国国家空間科学センターの鄒永廖副主任は取材に対し、「嫦娥4号」が低周波電波天文探査と研究、月裏側の地形や鉱物成分、月面浅層構造の探査と研究、月裏側の中性子放射線量や中性原子などの月環境探査研究を試験的に展開するといった3つの科学任務を担っていることを明らかにしている。中国新聞社が伝えた。
 鄒永廖氏によると、「嫦娥4号」の第1の科学任務は月裏側の低周波電波天文探査と研究を展開すること。低周波電波天文探査の展開は電波天文学分野の低周波観測における空白を埋めることができるとみられている。シールドの関係で、地球表面では低周波電波の観測を行うことができず、また月の正面は地球の磁場環境から影響を受けるため、低周波電波の観測効果も理想的ではない。一方で、月の裏側は磁場環境からの影響を受けないため、最適な観測場所とされている。
 「嫦娥4号」が担う第2の科学任務は月裏側の地形や鉱物成分、及び月面浅層構造に対する探査と研究を展開し、縦方向の切断面を取得することで、古くからの物質の成分を研究すること。
 鄒永廖氏によると月探査機の走行ルートから、地形、物質成分、及び浅層構造からなる総合的な地質切断面を取得することができるという。この地質切断面の作成に成功すれば、世界的にも初となり、探査区域全般の地質変化の歴史とディテール分析にも貢献できるとしている。
 そして第3の科学任務は月裏側中性子放射線量と中性原子などの月環境探査研究を試験的に展開し、宇宙放射線や太陽風と月面物質との相互作用に対する理解を深めることだ。
 鄒永廖氏は、「月面放射線環境に対する探査は極めて重要な応用価値を有している。我々の探査機、特に一部の電子機械や部品はしばしば宇宙放射線や太陽風によって損なわれるため、月面環境への探査は、プロジェクト技術デザインなどの作業に重要なサポートを提供することになる」としている。


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