2019年01月14日-01月18日
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南京大の学生が調査した料理の「ウォーターフットプリント」が話題に

2019年01月14日

 湯気が立ち上る蟹味噌餡の小籠包せいろ1つ分のウォーターフットプリントは2296.95リットル、美味しそうな色合いで人々を魅了する肉団子料理の「獅子頭」1皿のウォーターフットプリントは1351.03リットルといったように、このほど南京大学環境学院の学生たちが手作りした南京の名物グルメのウォーターフットプリント紹介イラストがネットで注目を集め、多くの人が転載しコメントを寄せている。
 すでに多くの人が知っているカーボンフットプリントと比べて、ウォーターフットプリントという言葉はまだまだ耳慣れない単語。これは日常生活における公衆消費財及びサービスの過程で消費される目に見えない水を指す。ある料理のウォーターフットプリントを計算するには、食材の成長過程から調理の工程における水使用量、排水量まで全てそのデータに盛り込まなければならない。例えば牛乳をコップ1杯分生産するには、牧草の水やりから乳牛が飲む水、体を洗う水、温度を下げるための水、輸送過程で使用される水など、どのプロセスにおいても水が必要とされる。この紹介イラストを見た「食いしん坊」たちは、グルメが作られるにはこれほど多くの水が使われていたのかと感嘆の声を漏らしている。

◆料理のウォーターフットプリントの計算方法は?
 学生たちはまず南京のさまざまな料理をまとめて、そのレシピを作り、さらに肉料理と野菜料理、各種デザートに分類。彼らはすべての料理に使われる食材の種類、用量、これらの料理の作り方の詳細な統計・整理を行った。また食材のウォーターフットプリントをブルーウォーターフットプリント(地表水もしくは地下水の消費量)、グリーンウォーターフットプリント(雨水の消費量)、グレーウォーターフットプリント(汚染物を吸収し特定の水質基準を満たすため必要な淡水の量)に細分化。そして動物類農産物、農作物、調味料などに分け、食材のウォーターフットプリントデータ集を作成し、具体的には牛と牛乳、豚、羊、鶏と鶏卵、アヒルとアヒルの卵、ガチョウ、魚、コメ・とうもろこし、小麦・じゃがいも、ナッツ・香辛料など13種類に分けた。
 レシピを整理しデータを集めた上で、南京大学の学生たちはこれら南京料理のウォーターフットプリントの計算を開始した。
 研究によると、肉料理のウォーターフットプリントは野菜料理を遥かに上回り、牛・豚・鶏・アヒルのどの肉を使っても、1品のウォーターフットプリントはほぼ2000リットル前後となる。なぜなら肉の原材料の他に、これらの料理には調味料及び香辛料を使わなければならないからだ。例えば塩漬けダックの「塩水鴨」の場合、アヒルの他にも塩、八角、桂皮、クミン、ソウズク、クローブ、生姜、ネギ、紹興酒、氷砂糖、白酢、油、スープの13種類を使う必要があるが、そのすべてがウォーターフットプリントを生む。
 一方であっさりした味付けの調味料を使い、作り方がシンプルな肉料理はウォーターフットプリントが少なめになっている。例えば50グラムの鶏卵でワケギとエビの茶碗蒸しを作った場合、そのウォーターフットプリントはわずか64.26リットルだ。
 学生たちはまた、デザートのウォーターフットプリントはそれほど多くないことを発見している。200グラムのもち米で小豆と酒粕の白玉団子を作った場合のウォーターフットプリントは571.18リットルだが、500グラムのもち米で草だんごを作った場合は1194.67リットルとなる。これは餡に小豆やごま油などウォーターフットプリントの多い原材料を多く用いるからだ。

◆科学的知識をいかに若い人に知ってもらうか?
 南京大学環境学院の程明今さんはこの研究を行った初志について、「中国では近年、科学技術がハイペースで発展しているが、人々の科学に対する素養は完全には追いついていない。この問題は水の科学普及分野にも見られる」とした。
 現在の水の科学普及において、「蛇口は使い終わったらすぐに閉める」や「米研ぎ汁で皿を洗う」などが唱えられている。確かにそれは正しいのだが、こうした内容を更新していく必要がある。学生たちはより多くの人に南京料理のウォーターフットプリントを知ってもらうため、こうした無味乾燥なデータとグラフを創意あふれる作品に仕上げた。豚の成長過程や塩漬けダックのウォーターフットプリントなどをカラーイラストにしたり、これらのイラストを用いてショルダーバッグやTシャツ、ラッピング袋、コースターなどを作っている。
 このような若者が好むスタイルでややハードルの高い学術的な概念を広め、若い「食いしん坊」たちの心をつかんでいる。ウォーターフットプリントを計算することで、数字として目視できるようになるので、今後は水を浪費することに対し、心理的プレッシャーを感じるようになるかもしれない。

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