2019年01月28日-01月31日
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「中国宇宙科学技術活動青書(2018)」、北京で発表

2019年01月31日

 「中国の宇宙事業は昨年、過去最多の39回の打ち上げで世界最多を記録した。配置されている宇宙船の数は世界2位で、打ち上げ能力が目立って強化されている」。中国航天科技集団は29日に北京市で、初の「中国宇宙科学技術活動青書(2018)」(以下「同青書」)を発表し、昨年の宇宙活動を総括した。人民網が伝えた。
 中国航天科技集団副社長の楊保華氏は同青書を発表した際に、「昨年は世界でさまざまな宇宙活動が展開された。現在10数カ国が軌道上に宇宙船を打ち上げる能力を持っており、80数カ国・地域が経済建設と社会の発展に衛星を利用している。世界の宇宙産業はここ10年にわたり年平均5%の成長率を維持しており、世界経済の平均成長率を上回っている。昨年の宇宙産業の規模は4000億ドル以上に達し、過去最高水準まで拡大する見込みだ。中国の宇宙事業は1956年に始まってから、すでに整った工業の基礎を形成しており、開発能力が着実に向上している。中国のロケット打ち上げ成功率は世界トップレベルになっており、軌道上の宇宙船の数は世界2位で、宇宙大国の地位を安定的に占めている」と紹介した。
 同青書によると、中国航天科技集団は昨年、打ち上げ活動の新記録を樹立した。「長征シリーズ」ロケットは37回の打ち上げのすべてに成功し、103機の宇宙船を軌道に乗せた。中国の打ち上げ全体に占める宇宙船の質量は99.8%。有人宇宙事業は宇宙ステーションの建設段階に入り、実験モジュール推進システムの初の実験が無事に終了し、次世代有人宇宙船も順調に進んでいる。月探査活動に重大な進展があり、月探査機「嫦娥4号」は人類初の月の裏側の軟着陸と巡回・探査に成功し、重大な科学・技術革新を実現した。北斗衛星を18基打ち上げ、北斗3号基本システムの配置と稼働を完了し、正式にグローバルサービスの提供を開始した。高分解能地球観測システムには多くの成果があり、システムの規模と観測能力は世界トップ水準に達している。種類の揃った、自主的に制御可能な衛星及び応用体制を形成した。大型ロケットと次世代中型ロケットの開発に重大な進展があった。ハイスループット衛星「中星16号」が稼働を開始し、世界トップ水準に達している。鴻雁衛星ネットワークの1基目の打ち上げが成功し、ブロードバンド中国及びネットワーク強国の建設を力強く支えることになった。世界の宇宙科学研究事業に積極的に関わり、1基目となる天文観測衛星「慧眼」が正式に引き渡され、高エネルギー天文研究分野の発展を推進した。「張衡1号」が正式に軌道に乗り、地震観測体制の構築を力強く推進した。

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