2019年03月01日-03月08日
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「中国天眼」の運行維持、ロボットが参加へ

2019年03月05日

 全国政協委員、貴州省科学技術庁副庁長の林浩氏は4日、取材に対して、次のことを明らかにした。「500メートル口径球面電波望遠鏡「FAST」(別名「中国天眼」)の正式な稼働後、一連のロボットが「勤務」を開始し、日常的な運行維持に参加する。また「中国天眼」の中心エリアにも保安スマートシステムを設置し、電磁干渉をリアルタイムでモニタリングし、早期警戒を行うようにする。科技日報が伝えた。

 「中国天眼」は9月末に、国による技術・登録・設備などの検収を受ける。現在最も重要になっているのは工法システムだ。16の検収指標のうち、感度や指向性などの12の指標が国の検収基準を満たすか上回っている。貴州省現地のビッグデータ企業の易鯨捷は昨年「中国天眼」と協力し、FAST早期科学データセンターに重要なデータバンクサポートを提供している。「中国天眼」の電磁環境における保護を強化するため、貴州省は専門的な保護裁判所を設立し、新たな管理規則を発表した。半径30キロ以内の静音エリアでは、最高20万元(1元は約16.6円)の罰金が科される。「中国天眼」は現在までパルサーを55個、高品質パルサー候補を80個発見している。

 林氏によると、「中国天眼」の正式な稼働後の良好な運行環境を保証するために、貴州省科学技術庁は科学技術部(省)と意見交換を繰り返した上で、「FAST全スマート運行維持システム構築」の全体構想を打ち出した。これは科学技術部から力強く支援されている。科学技術部による「重大科学インフラFAST運行維持作業ロボットシステム」重点研究開発計画に基づき、FAST運行維持機関はフィジビリティスタディの作成に取り組んでいる。また国内関連業界・分野の優秀チームを招き、共同でプロジェクトの申請と実施への参加を進めている。

 FASTのレーザーターゲット、ケーブル駆動ワイヤーロープ及び滑車、フィードレシーバー、油圧アクチュエータ、環境モニタリング・対策などの運行維持の需要に基づき、一連の運行維持作業ロボット及びサポートシステムを開発する。急坂・高落差球体反射面のレーザーターゲットのメンテナンス、坂の植物の処理、干渉の自動検知、周辺の警備などの作業を行う。「中国天眼」中心エリア周辺保安スマートシステムも、侵入事件を認識し位置を特定する機能を持っている。林氏によると、プロジェクト実施後、国は5000万元以上の特別経費を支出する。貴州省科学技術庁も関連政策に基づき支援を行う。ロボットは人の手では不可能な精度を実現する。それによって、FASTの運行環境は大幅に改善され、運行維持がよりスマートで効率的になるだろう。

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