中国次世代の「大連光源」、輝度が1万倍に

2019年 3月12日

 両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)期間中、全人代代表、中国科学院院士、中国科学院大連化学物理研究所研究員の楊学明氏は取材に対して、「次世代の『大連光源』は輝度がさらに高く、光子生成ペースは毎秒50回から100万回に向上し、平均輝度が1万倍になる。十分な輝度を持つ光源により、これまで見ることの出来なかった分野を観察できるようになる」と話した。科技日報が伝えた。

 「大連光源」は世界初の極端紫外線の自由電子レーザー装置で、2017年1月15日に稼働開始した。その自由電子レーザーは分子の「映画」を撮影できる。楊氏は「大連光源は現在、安定的に可動しており、年内に中国科学院大科学装置プラットフォームに取り入れられる。今後は2つ目の大連光源を建設する一方で、次世代光源の研究を進める」と述べた。

 楊氏によると、1つ目の光源は1ピコ秒(10−12秒)のレーザーパルスを生むが、これは偏向できない。2つ目の光源は数十フェムト秒(10−15秒)のレーザーパルスを生み、そしてすべての角度への偏向(光の角度)が可能だ。

 「偏向にはアンジュレーターが必要だ。建設を開始した当初は予算がなかったため、稼働中のものは最も基礎的な光源だ。建設中の2つ目の光源はアップグレード版になる。大連光源をiPhone6とするならば、建設中の2つ目の光源はiPhone6Sで、研究中の次の光源は画期的な革新をもたらすファーウェイの折りたたみ式スマホと言える」と楊氏。

 次世代光源の平均輝度は一気に4桁増え、すなわち1万倍になる。光子レーザーの生成ペースは毎秒50回から100万回に向上する。楊氏によると、より明るく視野が開けることで、より高感度の探査が可能だ。例えば超音速飛行機の燃焼の過程、それからレーザー発射の過程を観察でき、さらには極端紫外線を利用しチップのフォトエッチングの研究を行うことができる。

 楊氏は「極端紫外線光源は十数ナノのフォトエッチング精度を実現できる。将来的にチップを製造方法の有益な補完になる」と述べた。


※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます

中国関連ニュース 関連リンク

柯隆が読み解く

2019/1/28更新
「必要な科学技術と必要のない科学技術」

富坂聰が斬る!

2019/3/4更新
「中国映画『芳華』」

和中清の日中論壇

2019/2/18更新
「2019年の中国経済展望〜中国経済は沈まない」

田中修の中国経済分析

2019/1/4更新
「民営企業の発展支援」

露口洋介の金融から見る中国経済

2019/2/28更新
「銀行の永久債発行と人民銀行売出手形スワップ」

青樹明子の中国ヒューマンウォッチ

2018/12/28更新
「卓球の上達には中国語が欠かせない?」

科学技術トピック

New

2019/2/27更新
最新テーマ:鉄道技術

取材リポート

2019/2/20更新
「IoT製品日米中が先導 総務省の国際競争力分析で判明」

中国の法律事情

2019/2/28更新
「2018年の中国における重要立法を振り返る(下)~金融(外資参入規制緩和)・環境を中心に~」

知財現場 躍進する中国、どうする日本

New

2019/3/6更新
「中国は知財強国実現のため知財保護を加速」

日中交流の過去・現在・未来

2018/9/11更新
「四川省国際科学技術合作協会の顧問・梁晋氏が日本外務大臣表彰を受賞」

日中の教育最前線

New

2019/2/25更新
「高等職業教育に希望の春、産学融合が重要」

中国の大学

2017/6/22
「中国の主要800大学」

文化の交差点

2019/2/20更新
「近代中日銅版画美術の出現、発展と衝突」

中国実感

2019/2/27更新
「何でもお届け!疾走する若きフードデリバリー」

北京便り

2019/1/22更新
「ゲノム編集ベビー事件の調査結果」

中国からの研究生活だより

2019/2/19更新
「中国の地方大学を起点とした日中協同による環境戦略」

CRCCイベント情報

New

CRCC研究会、中国研究サロン、シンポジウム等、開催予定のイベント情報

CRCCイベントアーカイブ

New

開催済みのCRCC研究会、中国研究サロン、シンポジウム等の講演資料・レポート

中国で研究活動 求人公募情報

日中・中日機械翻訳システム

CRCC運営データベース

CRCC運営ウェブサイト

アクセス数:67,034,730