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中国の科学者、人間は魚から進化したことを証明

2022年10月11日

 中国科学院古脊椎動物・古人類研究所が明らかにしたところによると、中国科学院の朱敏院士が率いる科学研究チームは長年のフィールドワークと研究により、顎口類の起源と早期進化の重要な情報を解明した。「魚から人間へ」の起源を探る研究分野で重要なブレイクスルーを達成した。一連の研究成果は北京時間9月28日に、国際的な学術誌「ネイチャー」にオンライン掲載された。中央テレビニュースが伝えた。

 科学研究チームはこの10年近くにわたり、重慶市や貴州省などの地域のシルル紀前期の地層から、今から約4億3900万年から4億3600万年前の魚類の化石を発見した。うち重慶での重要な発見は、現在の世界で唯一シルル紀前期の整った顎口類化石の特異埋蔵化石庫で、整った顎口類の化石の記録を1100万年遡らせ、世界の科学界の同時期における顎口類化石記録の空白を埋めた。

 朱研究員は、「人類の一部の解剖学的構造、例えば目、鼻、口(下顎、上顎を含めて)は魚類まで遡ることができるが、これらの器官の進化の順序については明らかになっておらず、化石に答えを見出さなければならない」と説明した。

 魚から人間への進化過程は約5億年かかっている。最も古い無顎類から顎口類、肉鰭類へと進化した後、陸に上がり両生類と哺乳類になり、最終的に人類に進化するという長い過程を経た。顎口類は現在の世界の脊椎動物種数の99.8%以上を占めており、これには人類も含まれる。顎口類の起源は約4億5000万年前だが、これまで見つかっていた顎口類の化石は約4億2500万年前のものだった。

 朱氏の科学研究チームは今回、大量の貴重な魚類化石の発見を踏まえた上で3年間の研究を経て、高精度CTスキャンや性状ビッグデータ分析などの方法を採用し、最も古い顎口類の歯、頭部、体など完全に未知だった情報を世界に向けて初公開した。人類と関わる多くの解剖学的構造を4億4000万年前の古代魚類まで遡らせ、「魚から人間へ」の進化の歴史において欠けていた最初の部分を補った。世界の科学界の顎口類の起源と繁栄への従来の認識を刷新し、「魚から人間へ」の進化の流れをさらに確かなものにしている。

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