2023年12月11日-12月15日
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杭州アジア大会、カーボンニュートラルを実現

2023年12月12日

 中国浙江省杭州市で9~10月に開かれた杭州アジア競技大会・アジアパラ競技大会(杭州アジア大会)が、アジア大会・パラ大会史上初めてカーボンニュートラルを実現したことが、6日に明らかになった。同大会の温室効果ガス排出量は88万2900トンで、グリーン電力を利用して温室効果ガスの排出を2万2000トン削減し、一般社会から109万9900トンのカーボン・オフセットの寄付を受けた。

 杭州アジア大会では、▽開会式と閉会式で本物の花火の代わりに「デジタル花火」を使用▽メイン聖火台で初めてメタノールを使い、二酸化炭素の循環利用を実現▽アジア大会選手村低炭素口座を開設▽「アジア大会グリーン健康建築設計ガイドライン」などのマニュアルを作成▽複雑なシーンにおけるビルデジタルスマート低炭素運営プランを採用▽全会場のグリーン電力供給-などの「初めて」が実現した。

 会場面では、56会場のうち新設したものは12会場で、その建設過程で新材料、新技術、新工法が幅広く使用された。交通面では、大会車両は優先的に新エネルギー車が用いられた。運営面では、会場臨時施設と大会器材はレンタルやリサイクル可能な材料を優先的に採用した。選手村で使われるコップとハンガーが分解可能な麦わらで作られたほか、紙製の食器と牛乳パックを累計57トン、他の低価値廃棄物を92トン回収した。これを使えば89.34トンの再生紙を生産することができ、一部はすでに低炭素イベント記念品に使われている。大会のスタッフとボランティアの制服もリサイクル材料が使われた。

 炭素排出を最大限に減らした上で、各地の各機関・企業から炭素割当、炭素信用、炭素包摂の寄付を動員することで、アジア大会の炭素排出量を相殺した。47機関・企業から寄付されたカーボン・オフセットは109万9900トンで、省内や省外の機関・企業も積極的に参加した。

 大会ではこのほか、アジア大会公式パートナー、公式協賛企業、公式サプライヤーなどに対し、持続可能を企業の発展理念とするよう推進し、グリーンな開催理念を実行した。チケット購入案内や観客案内、メディアPRを通じグリーンな観戦を奨励し、電子チケットの使用率が60%を超えた。さらには植樹イベントも行われ、1800万人以上が参加し、4800万株以上が植樹され、26カ所のアジア大会カーボンニュートラル林が建設された。

杭州アジア大会の閉会式(資料写真)

 
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